これまで３シリーズが放送され好評を博した人気番組の待望の第４シリーズが、満を持してスタート。豪華なレギュラーメンバーに強力な新キャストを加え、より一層スケールアップしたドラマをお楽しみください。
このシリーズへの参加は初めてです。1話から３話を担当させていただきました。第２シリーズまでで池波正太郎さんの原作は全部使い切ったということで、オリジナルで物語を作る必要がありました。プロデューサー陣から提示されたのは「天一坊事件」を元に作れないかということ。将軍吉宗の御落胤を名乗り幕府を騙そうとした人物です。実在の人物ですが詳細な記録は残っておらず、オリジナルで物語を作る余地があります。うまく出来ればスケールの大きい作品になると思いました。
すでに世界観の出来上がった作品に参加することに最初は不安もありましたが、結果的には雲霧仁左衛門と天一坊の間に孤高の人物同士の共感を描くことが出来、面白いものになったと思います。久々に時代劇を作ることの楽しさを感じることが出来ました。
池波正太郎先生の名前が原作から原案となり、２シーズン目。
今回、改めて思ったのは、“原作は偉大なり”ということである。
というのは、第３シリーズ、今シリーズと、話をつくっていく難しさを痛感したからである。勿論、縦軸である仁左衛門、式部の関係は踏襲しつつ、横軸であるゲストの部分を創作していく作業、これをどういうふうに縦軸と交わらせるか、そしてその結び付きを全７話にどのように転がしていくかを緻密に考えなければならない。又、踏襲している部分についても、発展させていかなければならない。最終的にはエンターテインメントとして成立させなければというプレッシャーの中、スタッフ、キャストの知恵を借りて生まれた「雲霧仁左衛門４」が、原作に一歩でも近づけたかは、見て頂いた方の判断することである。
ぺエペエのドラマ部員だった頃、色んなピカレスク物の企画を出すたびに「NHKには馴染まないんだよ」と言われ、凹んでいた自分に、言ってあげたい。『将来、君は「雲霧仁左衛門」に関われるんだよ！』それほど、今回のドラマ作りは私にとって刺激的でした。また、NHKのスタッフとばかり、ドラマを作ってきた私にとって、京都の撮影所での物づくりは、ひとつひとつが新鮮で、魅力的でした。物語としては、中井貴一さん、國村隼さん、内山理名さんらが確固として構築して下さっているドラマ世界に、今回加わる永山絢斗さん演じる天一坊がどう関わってくるか、お楽しみください。天一坊の意志を超えた背後の権力者たちの思惑に対して、彼なりにどうケジメをつけるか、それを、雲霧が、安部がどう見つめ、受け止めるか。最終回まで、予想を超えた展開が続いていきます。ご期待ください！
「雲霧仁左衛門」が帰ってきました！今回は大岡政談にも出てくる将軍の御落胤・天一坊の話を基礎として、池波正太郎原案の雲霧の世界観と組み合わせたお話です。雲霧と御落胤が出会い、襷を渡すように豪華で魅力的なゲストが回ごとに入れ替わっていきます。貧しき浪人。献身的な妻。底の見えない大商人。背後の黒幕。正義に惑う同心。雲霧と式部の対決はますます熾烈で、二人の知恵比べも健在です。「義賊ではない」「盗賊が主役」のこのドラマには人間の多面性への優しき「日陰者ならではの」眼差しが込められている気がします。京都の時代劇の職人たちが４Ｋカメラで撮影した美しい映像とともに濃厚な本格時代劇をご堪能ください。
BS時代劇『雲霧仁左衛門４』
【放送予定】
2018年9月7日（金）スタート
BSプレミアム 毎週金曜 よる8時から8時43分（連続7回）
再放送：BSプレミアム 毎週日曜 午後6時45分
【原案】
池波正太郎 『雲霧仁左衛門』
【脚本】
尾崎将也、松下隆一、岡本さとる、森下直
【音楽】
遠藤浩二
【出演】
中井貴一、國村隼
内山理名、近藤芳正、手塚とおる、大東駿介、渡辺哲、黒沢あすか、藤田富、やべきょうすけ、村田雄浩 ／
永山絢斗、佐野史郎、星野真里、イッセー尾形、小野武彦 ほか
【演出】
山下智彦、宇喜田尚、服部大二、井上昌典
【制作統括】
佐野元彦（ＮＨＫエンタープライズ）、渡邊竜（松竹）、土屋勝裕（ＮＨＫ）
