【2月4日 AFP】インターネット上の住所にあたるIPアドレスの国際管理団体「ICANNInternet Corporation for Assigned Names and Numbers)」は3日、現行のIPアドレス「IPv4」の最後の在庫を分配したと発表した。

 IPアドレスはネット接続するデジタル機器に割り振られる。現行の「IPv4」は約40億個あったが、世界各地のIPアドレスの地域管理団体「RIRRegional Internet Registry)」に配分しきった。RIRの再配分が終われば、「IPv4」は「枯渇」する。最初に枯渇するのは、ネットユーザーが爆発的に増加しているアジアとみられる。

 ただ、ICANNのロッド・ベックストロム最高経営責任者(CEO)はマイアミ(Rod Beckstrom)で開かれた記者会見で、RIRが手持ちの「IPv4」を再配分しつつ次世代規格「IPv6」への移行を支援するため、「IPアドレス枯渇」によって現代生活が打撃を受けるとの懸念を打ち消した。

 インターネットアーキテクチャ委員会(Internet Architecture Board)のオラフ・コルクマン(Olaf Kolkman)会長も、事態を自動車のナンバープレートの在庫切れに例え、「翌日車を運転する上では何の変わりもないだろう」と述べた。

 数兆個が用意された「IPv6」への切り替えにおいて費用と手間が生じるのは、主にインターネットサービスプロバイダーとウェブサイト・ネットワークの管理者で、システムが新たなIPアドレスを正しく扱えるかを確認する必要がある。

 ICANNのベックストロムCEOは「IPv6」への完全移行には数年かかり、数十億ドルの費用が必要とみている。

 移行してもインターネットアドレスそのものには変更はなく、大半のネットユーザーは気にする必要はないが、一部、コンピューターとインターネットをつなぐルーターやモデムの更新が必要になる場合もある。(c)AFP/Juan Castro