鉄道博物館所蔵 超レア映像から見えてくるものとは?

鉄道博物館 お宝フィルムが語る 知られざるニッポン

10月15日(土)[総合]後4:45〜5:58
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10月15日(土)放送の「鉄道博物館 お宝フィルムが語る 知られざるニッポン」では、鉄道博物館が所蔵するお宝フィルムを大公開! 戦前から戦後にかけて撮影された約500本のフィルムから、鉄道の専門家も驚く貴重な映像を厳選。そこからは、鉄道を支えてきた人々の苦難との闘いや、鉄道による暮らしの変化、喜びの姿が見えてきます! 当時を知るかつての鉄道マン、乗客として鉄道と深く関わり生きてきた市井の人たちなどを取材し、日本人の知られざる姿を発見します。

鉄道博物館に集ったMCのヒロミさん、ゲストのカズレーザーさんや市川紗椰さんたちが、お宝フィルムを見ながら、楽しいトークを繰り広げます。ナレーションは濱田マリさん。

番組を制作した、棟方大介チーフディレクターに番組の見どころや制作時のエピソードを伺いました。

鉄道博物館で他番組の撮影中に500本近くあるお宝フィルムの存在を知る

棟方大介チーフディレクター(以降、棟方CD):番組企画のきっかけは別番組でした。「驚き!ニッポンの底力」という鉄道に関する番組を埼玉県の鉄道博物館で撮影していたとき、館内に戦前から戦後にかけて撮影された鉄道記録フィルムが500本近くあることを知り、博物館の学芸員・奥原哲志さんと話をしたところ、貴重なアーカイブ映像がたくさんあるけれど、上映する機会が少ないと伺い、「これはもったいない!特別番組を企画して紹介しよう」と思い立ちました。

大正10(1921)年〜昭和38(1963)年の映像を紹介!

棟方CD:鉄道博物館の中にある1番古いフィルムに残されているのは、大正10年に行われた鉄道省の式典の映像。このフィルムを鉄道史研究の専門家の方々に検証していただいて分かったことは、それまでは、欧米から輸入した車両を走らせていましたが、このころから、次々と国産の列車に切り替わっていったことでした。鉄道王国日本とよく言われますが、ある意味では「日本の鉄道の本当のスタートライン」がこのころだったようです。

日本の鉄道が世界と肩を並べたのが、新幹線が開業した昭和39年。この番組では、それまでの“日本の鉄道の歴史”に着目し、その前年である「昭和38年」までのフィルムから映像を紹介しています。当時は物資もなく、海外から見たら発展途上の国だった日本が、新幹線開業までどんな歩みを進めてきたのか、貴重映像でふりかえります。

鉄道の貴重映像に描かれていたのは…

棟方CD:昭和15年のフィルムに記録されていた鉄道マンの姿は衝撃的でした。蒸気機関車は、運転する機関士と、石炭を窯にくべる「投炭」などを行う機関助士の2名によって動かしていました。海外ではそのころ、投炭の機械がありましたが、日本にはお金がなかった時代。機械に頼ることができなかった日本が、機関車を走らせるためにしていた驚くべき努力や、その技術を学ぶ訓練所での猛特訓の様子は「すごい」の一言。ぜひ見ていただきたいです。

昭和38年のフィルムも超オススメです。「38豪雪」と呼ばれる記録的な豪雪と闘った鉄道マンの映像には言葉を失いました。北陸地方では平野部での積雪も3メートルを超え、鉄道が各地で運休。急行「越路」では400人もの乗客が缶詰め状態になる事態に。雪をかき分けるラッセル車や雪を遠くに飛ばすロータリー車も歯が立たず、応援に来た自衛隊の火炎放射器も役に立ちませんでした。国鉄史上、最大級と言われる雪害をどう乗り越えたのかにも注目です。いずれも滅多に見られない映像が多いので録画を強くオススメします。

映像に描かれた当時を知る人物たちが証言!

棟方CD:映像に描かれた当時を知る人たちを探すのは、大変苦労しました。戦前はもちろん、戦後間もないフィルムに関しても、すでに他界されていることが予想されたからです。ですので、昭和25年の「鉄道電化」というフィルムの出来事を体験した方に出会えたときは、大変な驚きでした。

列車の動力が石炭から電気に切り替わった日を知る方は、97歳のおばあちゃん。電気に切り替わったときの印象は相当強かったようで、当時の気持ちも鮮明に覚えておられました。インタビューでは体験者のみが持つ名ゼリフが連発で、中でも「東京になった!」という言葉が最高でした(詳しくは番組で)。みなさん、映像に関する説得力あるお話をしてくださいました。

鉄道好きもそうでない方も引き込まれる映像

棟方CD:鉄道関連の番組をこれまで作ってきましたが、その度に感じるのは、鉄道は日本人にとって特別な乗り物なのではないかということ。世界の駅の中で、利用者数ナンバーワンは新宿駅ですし、日本は鉄道好きがとても多いと思っています。なぜ日本人は鉄道に心かれるのか、その秘密も番組で描いたつもりです。鉄道が好きな人も好きではない人も、きっと最後は番組に引き込まれます! それを証明するため、あえて鉄道に全く興味のないヒロミさんに番組MCをお願いしました。スタジオ冒頭のトークでは「俺じゃなくタモリさんの方が良かったんじゃない?」とおっしゃっていました。そんなヒロミさんが番組の最後にどうなったのかもご注目ください。

古い映像ですが、今の物語として見てほしい。僕らが生きている世界と地続きであることを感じていただけたらうれしいです。
マニアの方にもきっと楽しんでいただけると思います。今回、日本の鉄道史研究の最先端の人たちが登場します。その方たちが一様におっしゃったのが、「こんなフィルムは今まで見たことない」と。今回見ていただいたフィルムをきっかけに、今まで分からなかったことが発見できた部分もあります。マニアの方にも、注目いただきたいですね。

鉄道番組なのに、泣ける!?

棟方CD:ナレーション撮りが終わった濱田マリさんが、帰りがけに「家でOA見たら泣いちゃうかも」とおっしゃってくれました。フィルムに映っている日本人のひたむきさ、献身的な姿、鉄道に対する思いに触れ、私も編集していて何度も胸にグッとくる瞬間がありました。ですので、鉄道番組なのに、もしかしたら泣けるかもしれません! 当時を知らない若い人たちにもきっと何か背中を押すエールになると思います。

スタジオで鉄道博物館の学芸員、奥原哲志さんが言っていた言葉で、ヒロミさんやカズレーザーさんが思わず感動していたのが、「鉄道開業以来150年、戦争や災害などさまざまな苦難があったが、今日まで日本で列車(国鉄・私鉄)が走らなかった日は一日もない」というひと言。
日本を一つの身体からだに例えれば、鉄道はまさに血管。その血管を止めることは日本人の生活そのものを止めることになります。それを今日まで動かし続けてきた日本人に対して熱い思いを抱かずにはいられません。
とにかく今回を見逃したら今後見る機会がなかなか困難な超レア映像満載なので、繰り返しになりますが「録画必須」です!

出演者からのコメント動画

共演者が驚くほどの鉄道ファンである市川紗椰さんと、「鉄道に興味がない」というヒロミさんとカズレーザーさんからのコメント動画。
ヒロミさんとカズレーザーさんには収録前後にそれぞれコメントをいただいたので、番組終了後の二人の変化に注目です!

「鉄道博物館 お宝フィルムが語る 知られざるニッポン」

【放送予定】10月15日(土)[総合]後4:45〜5:58

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