• (1)特徴
  • (2)診断
  • (3)ステージと5年生存率
  • (4)治療
  • (5)転移・再発
  • (6)免疫療法

『大腸癌取扱い規約(第8版)による進行度分類(ステージ)』

大腸癌取扱い規約によるステージ分類は、がんの浸潤の度合い=壁深達度(T:がんの深さ)とリンパ節転移(N)、遠隔転移(M)の程度で決まり、これら3要素を組み合わせて0、I、II、IIIa、IIIb、IVの6段階に分類されます。

大腸がんの進行度分類(ステージ)
  M0 M1
N0 N1 N2/N3 Any N
Tis 0 - - -
T1a・T1b Ⅲa Ⅲb
T2
T3
T4a
T4b

stage01

大腸がんの壁深達度(T)
Tis がんが粘膜内にとどまり、粘膜下層に及んでいない
T1a がんが粘膜下層までにとどまり、浸潤距離が1000μm未満である
T1b がんが粘膜下層までにとどまり、浸潤距離が1000μm以上である
T2 がんが固有筋層まで浸潤し、これを越えていない
T3 がんが固有筋層を越えて浸潤している
T4a がんが漿膜表面に露出している
T4a がんが直接他臓器に浸潤している

stage02

大腸がんのリンパ節転移(N)
N0 リンパ節転移を認めない
N1 腸管傍リンパ節と中間リンパ節の転移総数が3個以下
N2 腸管傍リンパ節と中間リンパ節の転移総数が4個以上
N3 主リンパ節に転移を認める
下部直腸がんでは側方リンパ節に転移を認める

stage03

大腸がんの遠隔転移(M)
M0 遠隔転移を認めない
M1 遠隔転移を認める

stage04

『大腸がんステージ別生存率』

大腸がんの5年相対生存率を示します。

■全がん協加盟施設の生存率協同調査
全がん協部位別臨床病期別5年相対生存率(2001-2003年症例)
ステージ 結腸がん 直腸がん
99.1% 98.3%
85.7% 84.7%
78.5% 73.1%
14.0% 16.6%
全症例 73.0% 73.9%
手術症例 76.8% 76.9%

stage05

生存率には実測生存率と相対生存率があり、地域がん登録では、相対生存率を 用いています。生存率を世界と比較する際も、相対生存率が用いられます。

実測生存率:
死因に関係なく、全ての死亡を計算に含めた生存率です。この中には、がん以外の死因による 死亡も含まれます。

相対生存率:
性、年齢分布、診断年が異なる集団でがん患者の予後を比較するために、がん患者で計測 した実測生存率を、対象者と同じ性・年齢分布をもつ日本人の期待生存確率で割ったものをいいます。