安倍派 参院選の年は改選参院議員に全額キックバックか

自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる事件で、安倍派が参議院選挙の年に開いたパーティーについては、改選となる参議院議員にパーティー券の販売ノルマを設けず、集めた収入を全額キックバックしていたことが、関係者への取材でわかりました。安倍派の参議院議員側は、こうした運用によって、政治資金収支報告書に収入として記載していない金額が膨らんだとみられ、東京地検特捜部が詳しい経緯を調べているものとみられます。

最大派閥の安倍派「清和政策研究会」や二階派「志帥会」では、所属議員がパーティー券の販売ノルマを超えて集めた分の収入を議員側にキックバックし、その分を派閥の政治資金収支報告書にパーティーの収入として記載しない運用が組織的に行われた疑いがあり、東京地検特捜部は、政治資金規正法違反の疑いで安倍派と二階派の事務所を捜索するなど、捜査を進めています。

国会議員のうち、参議院議員の任期は6年で、3年ごとに半数が改選されますが、安倍派では、少なくとも参議院選挙があった2019年と2022年に開いたパーティーについては、改選となる参議院議員にパーティー券の販売ノルマを設けず、集めた収入を全額キックバックしていたことが、関係者への取材でわかりました。

一方、衆議院議員は解散があり、選挙の時期が不規則なため、こうした運用は行われていなかったということです。

安倍派では、議員側にキックバックされ裏金化した資金の総額が去年までの5年間でおよそ5億円に上るとみられていますが、このうち2019年に改選を迎えた参議院議員側は、こうした運用によって、収支報告書に収入として記載していない金額が膨らんだとみられるということです。

特捜部は裏金化された資金の使いみちなど、詳しい経緯を調べているものとみられます。