2023(令和5)年度からの休園が決まっている三重県松阪市西黒部町の市立西黒部幼稚園(加藤美紀園長、13人)は20日午前9時半から、同園で、卒園式を開き9人が巣立っていった。式後は、地域の人たち11人を招いたお礼の会を催し、一緒に「西黒部幼稚園を忘れない」「みんなで頑張ろう」という思いを込めて青空に風船を飛ばした。
西黒部幼稚園は、市立西黒部小学校と同じ敷地内にあり、小学生との交流を実施。園舎は1955(昭和30)年4月に建てられ今年で68年目。来年度の入園希望者が1人で、市は「集団生活が確保できない」などとして、1人には他園に入ってもらう形で休園を決めた。
卒園式では、卒園児9人が加藤園長から卒園証書を元気に受け取った。同園の卒園児は計1963人となった。
その後、保護者と園児、職員全員で記念撮影を行い、同11時からは「長い間お世話になった」として地元の自治会長や住民自治協議会会長、公民館長ら11人を招いたお礼の会を開いた。
地域の11人には園児から、西黒部幼稚園を忘れないようにとの思いが込められたという花が贈られた。また園歌も元気よく歌い園や地域の人に感謝の気持ちを伝えた。
最後はサプライズで、出席者全員で風船を飛ばし、青空に上がる色とりどりのバルーンを見送りながら、新たな出発を祝った。
休園に入る前の最後の卒園児となった橋本大誠ちゃんは「風船が遠いところまで飛んでいったのを見送るのが楽しかった」、田中美裕ちゃんは「卒園式は悲しかったけど、小学1年生になるのが楽しみ」とそれぞれ話した。
加藤園長は「長い間、すてきな幼稚園教育ができたことに感謝と惜別の思いでいっぱいです。関わっていただいた皆さんに心から感謝申し上げます」と締めくくった。