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ゆかりの人たちが見た「なるもんじゃない」首相の8カ月(1/2ページ)

2010年6月3日7時39分

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 発言の軽さが国民の不信感を招き、命取りとなった鳩山由紀夫首相。しかし、じかに接した人たちの目には、思ったことを口にする裏表のなさが魅力と映っていた。政権内部、米国・沖縄……と立場の違う相手をまとめ切れず、疲れ切った末の退場劇。「もう少し長い目で見ないと、何も変わらない」と口々に惜しんだ。

 作曲家の三枝成彰さん(67)は4月26日、東京・虎ノ門のホテルで、鳩山首相と夕食を食べていた。

 「本当は話はついてたんだけどなぁ。おかしいなぁ」。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題に関し、首相がボソッとつぶやいたのが印象に残っている。「腹案」の鹿児島県徳之島や沖縄県で大規模な反対集会が相次いで催された頃だった。

 20年来の友人。自身が団長を務める六本木男声合唱団で、鳩山首相が歌声を披露したこともある。

 北海道で初めて会った時の印象は「政治家特有のギラギラ感がないな」。隠しごとなく思ったことを正直に話すところは、首相になっても変わらなかった。普天間問題では、そこで足もとをすくわれた、と感じる。「政治家はウソつきでないといけないのか」とすら思う。

 「決まったことを変えようと努力して、出来なかったからって、マスコミや国民からこんなに批判されないといけないのか。もう少し長い目で見ないと、誰も何も変えられないんじゃないか」と三枝さんは話した。

 作家の高橋源一郎さん(59)も同じ4月の11日、知人に招かれ東京・赤坂の中華料理店で首相と初めて会った。

 「総理大臣になって正直な感想は?」「なるもんじゃありませんね。ふふふ」。首相は冗談めかしたように答えたという。そんな質問をしたのは「国民は沖縄の基地は撤去しろというのに、国内では受け入れない。解がないのに解を出そうとして、迷走というイメージを持たれ大変だろう」と感じていたからだ。

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