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別姓は事実婚か通称 デメリットも、選択制求める声

2021年06月24日07時29分

 選択的夫婦別姓が認められていない現行制度では、法制度が異なる外国人との結婚以外はとなる。結婚を望む男女双方が自身の姓を使用するには、事実婚を選択するか、法律婚をした上で通称として旧姓を使用する方法に限られるが、いずれもデメリットがある。
 婚姻届を提出しない事実婚は、夫と妻がそれぞれ戸籍上の自身の姓を使用できる。免許証などの変更手続きも必要ない。ただ、関係性の証明に困難が伴うのが最大のデメリットだ。住民票を同じにしたり、公正証書を作成したりするケースも多いが、病院での手術や遺産相続などでは身分や権利関係に不安定さがある。
 出産や育児でも、法律婚とは異なる扱いとなる。子どもが生まれると婚外子となり、共同で親権を持つことができない。出産の時だけ婚姻届を提出して法律婚をし、その後「ペーパー離婚」するカップルもいる。
 旧姓の通称使用は、女性の社会進出に伴い急増。多くの民間企業をはじめ、国家公務員でも認められている。しかし、社内での各種手続きで戸籍姓しか使用できない場合もあるなど不便な点も多い。
 選択的夫婦別姓導入をめぐり、自民党の慎重派は「旧姓の通称使用拡大を優先すべきだ」と主張。政府は2016年以降、女性活躍推進の一環としてマイナンバーカードや住民票、運転免許証などへの旧姓併記を可能とした。しかし、旧姓と戸籍姓の二つを管理するのは役所だけでなく、企業にも事務処理や経済的な負担を強いることになり、こうした面からも選択的夫婦別姓導入を求める声が出ている。

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