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地デジ難視対策衛星放送(衛星セーフティネット)放送開始

2010年3月11日,地デジ難視対策衛星放送(衛星セーフティネット)の放送が開始された。地上デジタル放送の移行に際し,放送基盤が整うまでの間,暫定的に衛星放送を利用して地上波の番組を送り届けるもので,社団法人デジタル放送推進協会(Dpa)により,2015年3月まで実施されることが決まっている。

衛星放送の17チャンネルを使い,独立系を除く東京地区の7つの地上デジタル放送(NHK総合・教育,日本テレビ,テレビ朝日,TBSテレビ,テレビ東京,フジテレビ)がサイマル放送される。画質はアナログと同等で,データ放送は字幕放送とEPGのみが利用ができる。

地デジ難視対策衛星放送対象リスト(ホワイトリスト)に掲載された地区の世帯・事業者からの申し込みでスクランブルが解除され,NHKと居住都道府県で放送している放送局の系列民放の番組のみが1世帯につき3台まで見られるようになる。また,地形的要因でNHKの地上波が難視聴(絶対難視)の地区でも NHKの番組は視聴可能になる。

NHK受信料以外の料金は無料だが,NHKはこの政策目的を鑑み,受信規約を変更して,4月1日から地デジ難視対策衛星放送の受信者は,衛星放送の受信が可能な世帯でも期間中は受信契約を地上契約にするようにした。

あわせてBSデジタル放送の受信設備がない世帯(事業所は除く)には,チューナーの貸与やアンテナの給付等の支援策も行われる。

石橋 丈