| FGTの走行試験結果などを審議した技術評価委=国交省
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九州新幹線長崎ルートに導入が予定されるフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)の開発計画を審議する国土交通省の軌間可変技術評価委員会(委員長・西岡隆筑波大名誉教授)は27日、課題とされた在来線カーブでの走行試験で目標を達成し「実用化に向けた基本的な走行性能に関する技術は確立している」との評価をまとめた。
鉄道局技術開発室によると、同評価委は、曲線通過性能を確認するため6〜9月にJR四国予讃線で行われた在来線走行試験の結果などを審議。台車の軽量化や、レールの継ぎ目を少なくする「ロングレール化」などによって在来線カーブでの目標速度の時速85〜130キロを達成したことを確認した。
今後は「耐久性の評価に基づく保全性・経済性の分析・検証」が課題と指摘し、現行の試験車両や、さらに軽量化・長編成化を図った車両での走行試験が必要とした。現行の試験車両での耐久走行試験は11月上旬にも開始する予定。
国交省は、来年度予算の概算要求にFGTの新たな試験車両の設計製造などに充てる技術開発費として約66億6千万円を盛り込んでいる。FGTは2018年に開業が見込まれる長崎ルートに導入予定で、実用化は13年度末までに同評価委が最終判断する見通し。
坂本潤一郎県企画振興部政策監(新幹線・総合交通対策担当)は「FGTの実用化に向けた基本的走行性能の技術が確立されたことは、県としても一歩前進と考えている。早期の実用化が図られるよう、耐久性やコストなどの分析に期待したい」と話した。