河野洋平氏「想定と大変な差あった」 30年前の政治改革振り返る

有料記事立憲自民

国吉美香 里見稔 榊原一生 楢崎貴司
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 小選挙区制導入などの政治改革から30年となったのを機に、衆院の選挙制度を議論する与野党の協議会は19日、政治改革に合意した河野洋平・元自民党総裁を招いて意見を聞いた。政治改革は政権交代可能な二大政党制などを理想として掲げたが、河野氏は「当時の想定と大変な差があった」と振り返った。

 「政党中心・政策本位にかけるという決心だった。しかし、30年経って今の政治を見た時、国民が政党・政策を選ぶ形になっているか、ギャップを感じざるを得ない」。非公開の協議会後、座長の逢沢一郎氏(自民党)は、河野氏の発言を説明した。

 政治改革で導入した小選挙区制は、政党本位の政治をめざした。小選挙区では一つの党の候補者は1人に絞られているため、有権者は政党を選ぶことはできても、個人は選べない。河野氏の発言は、そうした現状を懸念したものだ。そのことで政治家個人の力が弱まったという指摘もある。

 派閥の力が弱まったこともあ…

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    大川千寿
    (神奈川大学法学部教授)
    2023年6月20日17時1分 投稿
    【視点】

    小選挙区制の導入によって目指されたことの1つは、長期政権の弊害の打破、すなわち、政権交代ある政治による政治の浄化、新陳代謝、民主主義の活性化であったと思います。それが実現するには、(自民党自身がどこまでその覚悟があったかという問題はあります

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    星野典久
    (朝日新聞政治部次長)
    2023年6月20日11時44分 投稿
    【視点】

    現行の小選挙区比例代表制については、国会議員の中にも見直しの必要性を訴える声は以前からあり、その数は増えているように感じます。課題はこちらに書かれているとおりで明白なのですが、制度導入から30年経ってもそういった議論が本格化しないのは、現職

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