南太平洋のトンガ諸島で起きた海底火山の大規模噴火で、ニュージーランドとオーストラリアは17日、軍哨戒機を現地に派遣し、上空から沿岸部での建物などへの大きな被害を確認した。同日中の着陸は見送り、ニュージーランド軍が翌18日にも救援物資を届ける態勢を整えている。トンガでは国外との通信がほぼ遮断されており、状況把握が困難になっている。この復旧には数週間かかる可能性がある。
豪州政府によると、日本時間の17日午前の時点で、火山から約65キロ南に離れた首都ヌクアロファのあるトンガタプ島西部の海岸で道路や住宅、商店などが津波による大きな被害を受けていることを確認した。大きな人的被害は確認されていないという。ニュージーランド政府も同日、ヌクアロファの大部分で停電が復旧したと明らかにした。
ニュージーランドのラジオ局は同日、ヌクアロファの教会の話として、屋根に15センチほどの火山灰が積もっていると伝えた。降灰により水が汚染されており、飲料水の確保が大きな課題になっている。一方で、噴火直後の15日に住民が教会に集まったが、翌日には家に戻ったという。ヌクアロファでは商店やガソリンスタンドなどが営業を始めたとの情報もある。
しかし、トンガでは30以上の島に住民がおり、その他の島の被害はほとんど分かっていない。トンガ政府は17日、各島に船を派遣して状況把握を始めた。
豪州、ニュージーランド両軍…