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自治体の仲間

 

2006年9月号 Vol.394

平和・戦跡のミュージアム
(19)
「人間魚雷」の回天記念館
山口県周南市
軍部の狂気が生んだ人間兵器
 太平洋戦争の戦局が日本に不利な状況が明らかになってきた1944(昭和19)年、日本海軍は、魚雷を改造して人が一人搭乗して操作しながら敵艦に捨て身の体当たり攻撃をする特攻兵器を実用。「天を回すように、不利な戦局を逆転させる」という意味から「人間魚雷回天」と名づけられました。終戦までのわずか1年の間に、全国各地の島や陸地の先端部に基地をつくり、20歳前後の若者が出撃し、戦没者は145人にのぼりました。
 山口県周南市の大津島には回天基地がほぼ当時のまま残されています。その大津島に、1968(昭和43)年、関係者の努力で「回天記念館」ができ、95年にリニューアルされ、「人間魚雷回天」に関わる資料や戦没者の遺品を展示しています。
 記念館の前の植え込みには、戦没者の名を刻んだ石碑がはめ込まれ、長嶋茂雄や森繁久弥の書になる哀悼の石碑も建っています。記念館近くの海岸には「回天」の訓練や魚雷発射などの基地跡がそのまま残っており、島全体が「回天」の遺跡といえます。


平和・戦跡のミュージアムメモ
●回天記念館(山口県周南市)

所在地/ 〒745−0057
山口県周南市大津島1960
電話・FAX/ 0834−85−2310
交通/ JR徳山駅から徒歩5分で徳山港、
徳山港から連絡船を約40分で大津島
の馬島港へ(高速船では約20分)、
港から徒歩10分で記念館
開館時間/ 午前8時30分〜午後4時30分
休館日/ 毎水曜日、年末・年始
入館料/ 大人300円、18歳以下は無料
記念館のほか、回天基地跡、魚雷見張所など
関連の施設跡もあります。

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