丹波漆が「選定保存技術保存団体」へ
才本淳子
文化財を守っていくために欠かせない技術・技能を保存し、継承する「選定保存技術保存団体」に、日本産漆の生産・精製をする特定非営利活動法人「丹波漆」(京都府福知山市)が認定される見通しになった。国の文化審議会が19日、文部科学相に答申した。
日本産漆は、建造物、美術工芸の修理に欠かせないが、明治時代以降に輸入が増えて外国産に頼ってきたため、国内技術者が減った。国内消費量に占める国産漆の割合はわずかだ。
丹波漆は、漆搔(か)き職人の衣川光治さんが1948年に設立した丹波漆生産組合を2012年に法人化した団体。ウルシ育成者や漆搔き技術者、研究者などで構成され、植栽保全や後継者育成などの活動をしている。
認定について、高橋治子理事長は「励みになります。長年の先代の努力のおかげ。私たちも身を引き締めて、未来へ伝統と技術をつないでいきたい」と話した。
選定保存技術「日本産漆生産・精製」の保存団体としては、東京都と、産地の一つである岩手県を拠点にする2団体が認定されている。西日本では初めて。
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