立川談志きょうがん手術

16日夕、東京・元赤坂の「前田外科病院」で食道がんの手術に臨む人気落語家の立川談志(61)=写真右。15日には岐阜県高山市内のホテルで、がん告白後、初めての独演会を開き、「今、一番、旬なのは自分の病気」と、“短命”と題したネタを披露した。手術を控え、元気一杯の談志だが、同病院の前田昭二院長(70)=同左=に話を聞いた。

 「談志師匠は7月の胃の検査の時、食道が荒れていたので、ヨウドをかける検査を行った。そこで3センチ×3センチのがんが見つかった。早期の食道がんだった」

立川談志

 前田院長は、がん発見までの経緯をこう振り返る。
 その時も、今も談志本人には自覚症状がまったくなく、たまたま胃の検査をしたところ、偶然、食道がんの早期発見につながったというわけだ。

 「この時期で見つけるのは、難しい。しかも内視鏡手術ができるのは、早期発見ができるかどうかにかかっている。レントゲンで出るようでは、かなり遅い。師匠のように検査が大事だということ」

 一般的に食道がんは「治療しにくい」とされる。それでも、談志本人に食道がんであると、告知したことについては、「早期の食道がんは告知しても治る」との確信があったからだ。

 今回、手術を行うのは東海大学の幕内博康教授。内視鏡手術の腕は世界一といわれる医師で、「手術は治療であると同時に診断。九割九分はこれでいい。手術終了と同時に治ったといっていい」と、前田院長の口からはかなり強きの発言も飛び出した。ただ、手術が成功後も、年に1度のチェックが必要という。

 また、一部報道で、今回の手術について、ある医師のコメントとして「内視鏡のついたメスのような器具で、がんの部分をつまむように切除するもの…」とあったことに、こう言葉をあらげた。

 「メスなんか使わない。ワッパをひっかけて、高周波で取る。手術のなかでは、高級な手術だ。そんじょそこらではできない」

 ところで、前田外科は故・逸見政孝さんのがん治療で評判を落とした。そのため、談志のところには、「あの病院で大丈夫か」という心配の電話もかなりあったという。

 「逸見さんのがんは極端に悪いスキルスだった。談志さんのがんはたちの悪いがんではない」
 談志の手術は16日午後4時から行われる。順調にいけば、30分ほどで終わる。

 「動くのは翌日から。トイレにも行ける。4、5日は食べられないが、10日から2週間で退院できる。ノドも大丈夫」と話し、退院後の高座についても「大丈夫」と断言した。
    

(松垣 透)




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