【コラム】
5月から6月にかけて、各社から発表ラッシュがあった。目玉はAMDのSocket AM2と、それに関連するチップセットだろうか。ATI、NVIDIA、SiS、VIA、一部は従来までのチップセットがAM2にも対応するといった内容だったが、AMD CPUが揃ってDDR2環境に移行するスタートとしては順調だろう。AM2対応チップセットを搭載した製品は早くも出荷が開始されていて、パーツショップなどの店頭にはすでに製品が並んでいる。
それ以外にも興味深い製品は多い。なかでも筆者はThermaltakeの「Purepower Power Express 250W」に注目したい。マルチグラフィックス環境向けにグラフィックスカード用補助電源として働く製品で、5インチベイに収まるサイズ。新しいグラフィックスカードやCPUが登場するたびに「今までの電源で大丈夫なのか!?」と不安を感じていたが、この製品を利用すれば従来の電源を使い回しつつマルチグラフィックス構成をとれる可能性が高くなるだろう。やはりこうしたアイデアパーツは自作ユーザーの心をくすぐってくれる。
さて、NVIDIAのSocket AM2対応新チップセット「nForce 590 SLI」が今回のお題である。nForce 590 SLIは、AM2に対応するnForce 500シリーズのフラッグシップであり、今回nForceに新規追加された機能の全てを備えた製品だ。本稿ではそのうちのいくつかの機能にフォーカスをあて解説、そして実験をしてみようと思う。
機能比較はこちらの記事を参照していただくとして、まずは新機能だけをリストアップしてみよう。
nForce 590 SLIのみ搭載する主な新機能
nForce 590 SLI / 570 SLI / 570が搭載する主な新機能
これらに加えてSLI-Ready Memoryへの対応が挙げられる。こちらはnForce 500シリーズの必須要件ではなく、マザーボードメーカー側が対応を決められる機能とされている。
今回使用した機材は、NVIDIAの評価キットとなるFOXCONN「C51XEM2AA」マザーボード、Zalman「CNPS9500」CPUクーラー、Corsair「TWIN2X2048-6400C4」および「TWIN2X2048-8500C5」のSLI-Readyメモリである。
CPU | AMD Athlon 64 FX-62(2.8GHz) |
---|---|
CPUクーラー | Zalman CNPS9500 AM2 |
マザーボード | FOXCONN C51XEM2AA(nForce 590 SLI) |
メモリ | Corsair TWIN2X2048-6400C4 1GB x2 DDR2-800 |
Corsair TWIN2X2048-8500C5 1GB x2 DDR2-1066 | |
グラフィックスカード | MSI NX7900GTX-T2D512E x2(SLI) |
ハードディスク | WD RaptorX WD1500AHFD(150GB) |
OS | Windows XP Professional SP2 |
新機能のひとつ「LinkBoost」は、nForce 590 SLIチップセットのマザーボードとGeForce 7900 GTXグラフィックスカードをSLI構成で組み合わせた時にのみ利用できるという機能。どのようなものかというと、nForce 590 SLIのSPP・MCP間のHT Link、SPPからPCIe x16グラフィックスカードまでのPCIeバス、MCPからPCIe x16グラフィックスカードまでのPCIeバスという3点間限定でオーバークロック動作させるものだ。その最大値は125%。HT LinkおよびPCIe x16バスは通常8GB/秒の転送速度だが、LinkBoostを持ちいることでその帯域が10GB/秒まで高速化される。SLI構成で2つのGPUが協調動作する場合、当然帯域が太い方が有利になるとされる。
今回は、3DMark05と同06の結果を紹介しよう。なぜPCMarkが無いのかというと、LinkBoostを有効にした際のPCMark05をテストしたところ、筆者の環境では毎回必ず同じところでフリーズし、限られた検証時間ではこの点を解決できなかったためだ。NVIDIAによれば、nForce 590 SLIはLinkBoostの125%というオーバークロック動作を見越した設計とされている。しかし定格を外れた時点でオーバークロック動作であることに代わりはなく、(通常に比べればマシなのかもしれないが)リスクもあるというように感じた。
※それぞれ解像度は1600x1200ドットTest | 3DMark05 | 3DMark06 |
---|---|---|
LinkBoost On | 13712 | 8628 |
LinkBoost Off | 13666 | 8594 |
3DMarkの結果は"若干"のスコアアップ。念のため複数回テストをして、スコアのバラつきではなく、総じてわずかだがスコアが上昇するようだ、ということは確認できた。それにしても3DMark05で50、3DMark06で30程度のスコアアップなので劇的なものではない。おそらくは、1920×1200ドット(WUXGA)以上といった高解像度での3D描画や、Quad-SLIのようにより帯域を活用する環境、多くのデータを扱う3D描画技術を用いた時にはLinkBoostの効果が発揮されるかもしれない印象だ。
今回のテストはここまで。次回は同様の環境を用いて、もうひとつの注目ポイントである「SLI-Ready Memory」を試してみたいと思う。
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