2010年に「ヴァイオレット」をオープンすると、彼女の作るデザートは瞬く間に人気となった。彼女自身はキッチンではもう働いていないが、商品のすべてを店内で作る点は今も変わらないそうだ。「使う前に、スタッフには食材を味見してセレクトしてもらっています」と、クレア。ちなみに、彼女のお気に入りメニューは、コルストン・バセット・スティルトンとニールズヤードの熟成チェダーチーズ、エシャロット、そしてキムチを挟んだトーストサンドイッチなのだそう。
インタビュー途中、クレアはウエディングケーキの最終チェックのためにキッチンに戻っていった。 バッキンガム宮殿には、彼女のチームがウィンザー城に運ぶ前にケーキを仕上げるためのスペースが設けられていた。「結婚式の時は、現場で完成させるようにしています。その方が、誰かがケーキを倒してしまわない限り、問題が起きることがないから」だそうだ。
ドレスの相談は隣人のシモーネ・ロシャに。
結婚式で何を着るかについては、クレアは「ヴァイオレット」の隣りに住んでいた、友人でありファッションデザイナーのシモーネ・ロシャに電話をかけて相談したそうだ。
「シモーネがドレスに施す刺繍って、とびきり美しいんです。ケーキにデコレーションする花に合わせたドレスを着れば素敵だろうと思って」
バッキンガム宮殿でのケーキ作りを手伝っていた彼女のチームには、イギリスのブランド、サンスペル(Sunspel)が服とエプロンを作ったそうだ。「私たちはシェフ定番の白いコックコートを着ません。だって、ヴァイオレットはそんな店じゃないから」と、クレアは話す。