「恵方巻(えほうまき)を始めたのは、野田さんですよ!」

 広島市の中心街にほど近い、中区舟入地区のコンビニ経営者から聞いたその名前をきっかけに、ここ数年抱いていた「恵方巻の謎」はいっきに氷解した。江戸から明治にかけて関西の風習だった「恵方巻」が、なぜ今、全国的にこれほどまでに生活の中に入り込んでいるのか。それが知りたくて調べてみた。その答えが「野田さん」だった。

 「恵方巻」とは、2月3日の節分に、その年の「恵方」(ラッキーな方位)を向いて、黙って願いごとを思い浮かべながら、丸かじり(丸かぶり)して食べる「太巻き」のこと。関西では「丸かぶりすし」とも呼ぶ。戦後いったんは廃れていた風習だ。それが、気が付くと歳時記に組み込まれ、認知度も90%以上になっている。いったい、いつ、なぜ、どのようにして復活して今に至ったのか?

 謎解きをする前に、今年(2009年)セブン-イレブン・ジャパン、イ トーヨーカ堂と日テレ7(セブン)がコラボで商品企画&開発した「森公美子プロデュース」の『森恵方巻』(予約受付中)を、ひと足先に試食することに。というのも、今回の「恵方巻調査プロジェクト」の、これが一つの到達点だからだ。そもそものきっかけである「野田さん」と大きくつながっている。

 ではお先に・・・2009年の最新作『森恵方巻』をガブリッ!

 今年の恵方「東北東」に向かって、願いごとを思い浮かべながら、黙々と丸かじりする。

 おっ、具の玉子焼きがジューシーだ。有明産初摘み海苔の風味が良い。マヨネーズと金ゴマがアクセントになっていて旨いッ。七福神にちなんで具材は7種類。見た目もカラフルで楽しい。サイズも手頃だ。商品説明を見ると、保存料も合成着色料も使用していない。どうせ普通の太巻きだろうと油断していたが、さすがはモリクミだ。

 『森恵方巻』は、芸能界きっての料理上手&食通で知られるモリクミ(森公美子さん)が、「究極の恵方巻」作りに挑戦して完成させた。めざしたのは、「食べていて途中で飽きないどころか、どんどん楽しくなってきて、恋愛運や金運などハッピーになる具材を使っていて、特大の運までいただく美味しい恵方巻!」。モリクミ御用達「鮨たかはし」(東京・港区高輪)主人のアドバイスを受け、酢飯や具材を研究。モリクミの特製レシピで、ふわふわでジューシーな玉子焼きを作ったり、風味のいい初摘み海苔を求めて本場九州の有明海まで出向いたりと、試行錯誤を重ねて仕上げた。石ちゃん(石塚英彦さん)特製コンビニ弁当で大成功した日本テレビ『買物大スキ!女神の市場(マルシェ)』(毎週金曜日16:00〜16:30分放送)チームが、真剣に取り組んでいるのを横で眺めて知ってはいたが、食通のモリクミがプライドをかけて本気で挑戦しただけあって、お世辞抜きに、なかなかな仕上がりになっている。あわせて「森とん汁」も作った。

 さあ、腹ごしらえもした。「恵方巻を始めた野田さん」の話に戻ろう。