第21次南極観測越冬中, 1980年3月18日昭和店地周辺の定着氷が雪嵐 (blizzard) のため大部分流失してしまった.そのため昭和基地開設以来, オングル島周辺は岸にもっとも近い潮割れ目から開水面となった.その後の海水而の凍結過程を観察した結果, 海水の凍結までの過程で, 海水の中に氷晶 (frazil ice) や錨氷 (anchor ice) が発生した.これらの水中に生じた氷の観察から海面の凍結までの過程で, 大気が低温であることのほかに大気の乱流と海面の相互作用による熱交換過程が海水の冷却機構の中で電要な役割を演じていることが示唆された.
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