鹿児島・宮崎両空港 管制業務統合へ 地方空港どうしは初

鹿児島・宮崎両空港 管制業務統合へ 地方空港どうしは初
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国土交通省は、鹿児島と宮崎で別々に行ってきたレーダーによる航空管制業務を今月12日から鹿児島空港に集約することになりました。海外からの観光客の増加などを背景に離着陸する便の増加が見込まれる中、一元化によって効率化を目指すもので、地方都市にある空港どうしでの統合は全国初だということです。
統合されるのは鹿児島や宮崎の周辺上空を飛ぶ航空機をレーダーで誘導する航空管制業務で、2つの空港で別々に行ってきた業務を今月12日から鹿児島空港に一元化します。

一元化によって、状況に合わせて管制官を弾力的に運用したりパイロットからの急な経路や高度の変更などにも迅速に対応できたりするなどの効率化が図られるということです。

これに伴い、宮崎空港の管制官のうち宮崎の空域に入る航空機をレーダーで誘導する15人の管制官が、鹿児島空港事務所内に新たに整備されたフロアに移り、今と同じ業務を行います。
一方、宮崎空港への離着陸の許可や指示などを出す管制官は、引き続き宮崎空港で離着陸の誘導などを担います。

国土交通省によりますと、地方都市にある空港どうしでのレーダー管制業務の統合は全国初です。

国土交通省大阪航空局鹿児島空港事務所の石黒俊行先任航空管制官は「今後増加していく航空交通の需要に対応し利用者の利便性を図るためにも、一元化で効率的な空域の利用を目指していきたい」と話していました。

進む空域再編や管制業務の効率化

航空便の増加などに伴い、国土交通省は平成22年から空域の再編や管制業務の効率化を進めています。
平成22年には、旅客機などで混雑する首都圏上空の航空管制を効率的に行うため、それまで別々に行われていた羽田空港と成田空港のレーダーを使った航空管制業務を羽田空港に一元化しました。
また平成23年には高知空港、平成24年には高松空港が関西空港とレーダー管制業務の統合を行っています。

現在、防衛省やアメリカ軍が管轄する空港を除く国内14の空港でレーダーを使った航空管制業務が行われ、今後も状況に応じて空域の再編や管制業務の統合を検討することにしています。