東京都千代田区の石川雅己前区長が区議会の解散を通知したのは地方自治法に違反するとして、区議や元区議計18人が同区に計198万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が29日、東京地裁であった。清水知恵子裁判長は違法と認め、計99万円の支払いを命じた。<下へ続く>
石川氏をめぐっては、マンション購入の際に業者から便宜を受けた疑いがあるとして、区議会が百条委員会を設置。委員会での同氏の説明にうそがあるとして、2020年7月に偽証容疑で刑事告発する議案を可決した。
告発方針を受け、石川氏は区議会の解散を通知。区議会は解散処分の執行停止を東京地裁に申し立て、地裁が認めたことから、同氏も取り消した。
清水裁判長は、石川氏の解散通知について「区長への不信任議決を経ておらず、地方自治法の要件を欠き違法だ」と判断。原告の区議らが、申し立てや訴訟で支払った弁護士費用などは損害に当たると結論付けた。
区議らは解散そのものの無効確認も求めたが、解散は既に取り消され、訴えの利益が失われたとして却下された。
千代田区の樋口高顕区長は「判決理由をよく読んで対応を検討する」とコメントした。