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官僚だってツラい!? 残業は時給200円、仮眠室に幽霊…官僚OB政治家が叱咤とエール

 財務省の森友文書改ざん、厚労省の裁量労働制に関する不適切データの使用、防衛省のイラク日報隠ぺいなど、行政の不祥事が相次ぎ、官僚は日夜国会対応に追われている。  では官僚出身の現役議員たちは、今の官僚による不祥事が続出するをどう見ているのか。元経産省官僚で民進党所属の参議院議員・小西ひろゆき氏は「普通なら即内閣総辞職レベルの問題です」と語気を強めて語る。
小西ひろゆき氏

小西ひろゆき氏

「財務省の公文書改ざんや防衛省のイラク日報隠ぺい問題など、起こりえなかったことばかりが安倍内閣では起きています。今までなら即内閣総辞職してもおかしくないはずなのに、現政権は誰も責任を取ろうとしない。内閣人事局のせいで、官僚は大変に振り回され続けているのです」  一方、元財務官僚で自民党所属の衆議院議員・石崎徹氏は、財務省について反省を促しながらも、官僚たちの矜持を鑑みてこう語った。 「財務省は今回の事件において、多くの点で反省する必要があります。ただ、元財務官僚としては、太田充理財局長の『それはいくらなんでも……』の発言には、政策の要である財政を守ろうとした意思が理解できるし、日本の財政を守るという自負自体は否定されるものではないと思います。膨らみがちな予算を引き締め、所得の再分配政策を推し進める、嫌われ者役を担う財務省は、みな誇りと勇気を持って働いています。だからこそ、今一度襟を正して、しっかりと日頃の業務に励んでほしいです」  両氏は今や国会で日々議論を交わしているが、官僚時代の仕事は、2人ともかなり激務だったそうだ。 「いつも月150時間ぐらいの残業をしていましたが、支払われる残業代は3万円だけ。時給だと200円ですよ。昼は400円の定食、夜は残り物の小鉢を食堂で済ませていましたね」(小西氏) 「業務量の多い財務省は“不夜城”と呼ばれます。リーマンショック後の国際会議対応では、月曜にスーツケースに着替えを詰めて出勤し、土曜まで職場から出ないことも。泊まるのは通称“ホテルオークラ”、幽霊が出るという噂の財務省地下の暗い仮眠室です(笑)。清潔とは言いがたいオークラ温泉(大浴場)で、嫌々汗を流していましたね」(石崎氏)
石崎徹氏

石崎徹氏

 残業代も十分につかず、福利厚生も低下。それでも霞が関で働く官僚に2人からエールをもらった。 「官僚には自分たちが社会を支えているという自負があり、やりがいもある。その誇りを忘れずに、仕事に励んでください」(同) 「政策は誰でも作れるものではありません。法治国家を壊す現政権の下で働くことに、苦しんでいる人は少なくないと思う。官僚の皆さん、一日でも早く安倍改ざん内閣を倒しますので、信念に基づいて頑張ってください!」(小西氏)  「良心」と「誇り」を、官僚は取り戻せるのだろうか。 【小西ひろゆき】 民主党参議院議員。’72年、徳島県生まれ。東京大学教養学部卒。’98年に郵政省(現・総務省)入省。放送法担当を務めたほか、経済産業省時代には課長補佐も経験。’10年に退官し参院選(千葉選挙区)で当選。現在は2期目 【石崎徹】 自由民主党衆議院議員。’84年、新潟県生まれ。慶應義塾大学法学部卒。’07年に財務省入省。リーマンショック後の対応に当たったほか、内閣官房に出向し国家戦略室主査を務める。’12年に退官し、衆院選(新潟1区)で当選。現在は3期目 <取材・文/河野嘉誠> ※『週刊SPA!』4/17発売号「官僚『もうやってらんねぇよ!』白書」より
週刊SPA!4/24号(4/17発売)

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