【12月22日 AFP】ロシア大統領府(クレムリン、Kremlin)は22日、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領の訪米を受け、米国とウクライナがロシアの懸念に耳を傾けていないとの見解を示した。

 米国のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は同国を訪問したゼレンスキー氏に対し、初となる迎撃ミサイルシステム「パトリオット(Patriot)」の供与を含む約18億ドル(約2400億円)の軍事支援を約束。ゼレンスキー氏は熱烈な歓迎を受けた。

 これを受け、ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)報道官は記者会見で「遺憾ながら、バイデン大統領もゼレンスキー大統領もこれまでのところ、ロシアの懸念に耳を傾ける用意があるとみられるような言葉を少しも発していないと言える」と指摘。ウクライナ東部ドンバス(Donbas)地方の町や村の住宅への継続的な砲撃をめぐり、ゼレンスキー氏に対する警告は一言も聞かれなかったばかりか、平和を求める真の声もなかったと非難した。

 その上で、「これは米国が事実上、ウクライナ人が最後の一人になるまでロシアとの間接的な戦争を続ける方針を示唆している」との見方を示した。

 ゼレンスキー氏の訪米に先立ち、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は、来年も自国の軍事力を拡大させ、核戦力の実戦態勢を継続すると表明した。(c)AFP