[PR]

 国内最大の指定暴力団山口組(本部・神戸市)から分裂した神戸山口組(本部・兵庫県淡路市)について、兵庫県公安委員会は15日付の官報で、指定暴力団への指定を公示する。県警が明らかにした。効力は3年間。同日以降は暴力団対策法の規制対象となり、対立抗争が続けば組事務所の使用制限を命令できるようになる。指定は22団体目。

 県公安委は当初、山口組の指定を更新する6月を想定して作業を進めていたが、昨年8月末の分裂から7カ月半で指定した。両組織の対立抗争事件が全国各地で約70件起きているため、作業を前倒しした。過去の分裂時は、新組織の結成から指定まで1年数カ月以上かかっていた。

 指定後は、みかじめ料の要求など組員の不当要求に中止命令が出せるようになるほか、対立抗争で付近の住民生活が脅かされる恐れがあれば組事務所の使用制限を命令できるようになる。さらに対立抗争で市民らに重大な危害を加える恐れがある場合、決められた警戒区域内におおむね5人以上集まるだけで逮捕できる「特定抗争指定暴力団」への指定も可能となる。

 兵庫県警によると、神戸山口組の組員は3月1日時点で約2700人。直系組長は23人おり、傘下組織は36都道府県に及ぶ。