大鵬が朝青龍を見捨てた日

2013年01月26日 10時00分

大鵬追悼 綱の道外伝(中)

 19日に死去した元横綱大鵬の納谷幸喜氏(享年72)が生前に本紙インタビューで明かしていた秘話や本音を“追悼公開”する「綱の道 外伝」。2回目は「朝青龍への怒りの激白」だ。元横綱朝青龍(32)は現役時代、仮病サッカー騒動や泥酔暴行騒動など数々のトラブルを起こし、2010年2月に引退に追い込まれた。「平成のお騒がせ横綱」は昭和の大横綱の目にどう映っていたのか――。

 現役時代の朝青龍は土俵内外で数々のトラブルを起こし「お騒がせ横綱」と呼ばれた。横綱としての生きざまは、大鵬とは正反対。それでも、納谷氏は先輩横綱の立場から、朝青龍には事あるごとに忠告していたという。しかし、とうとうサジを投げる出来事が起きる。きっかけは、納谷氏が行った講演での質疑応答だった。

 納谷氏は「聴衆から『力士の所作やマナーがなっていない。何とかならないのでしょうか』と言われたんだ。帰ってから朝青龍に電話をして『こういうことを言われたぞ』と言ったら、返ってきた返事が『いやあ、そんなものは(現役を)辞めるころになったらうまくなりますよ』。これはもうダメだなと思った」。