河井案里氏の議員歳費 弁護士有志が検査院に審査要求
後藤遼太
2019年の参院選をめぐり、公職選挙法違反の罪で有罪判決が確定して当選無効となった河井案里氏=自民党を離党=について、弁護士有志が17日、河井氏に支払われた歳費など約4900万円を国に返還させるよう会計検査院に審査要求を出した。
提出に先立って東京都内で会見した畠田健治弁護士は「初めから議員の身分がなかったことになり、歳費を支払う理由がなくなった」と主張した。また、「地方公共団体の違法な公金支出は住民監査請求や住民訴訟があるのに、国の支出には同様の制度がない」と指摘。審査要求は利害関係人のみに限定されているといい、「狭い範囲にしか認めないのは誤り。要求を通じ、国の公金支出に関する制度がいかに使い勝手が悪いか訴えたい」と述べた。
弁護士有志はこのほか、安倍晋三前首相の後援会関係者が多数招かれていた「桜を見る会」をめぐる支出などについても、検査院の審査を求めた。(後藤遼太)