(2011年1月15日 Forbes.com)
2011年1月14日金曜日、約30日にわたって反政府デモ隊と治安部隊との激しい衝突が続いてきたチュニジアで、23年間独裁体制を敷いてきたジン・アビディン・ベンアリ大統領がとうとう政権を投げ出し、国外に亡命した。それを受け、モハメド・ガンヌーシ首相が政府を掌握し、非常事態宣言を出した。“ジャスミン革命”と名づけられたチュニジアの政変は、アラブ世界で初めて市民の蜂起、より正確に言えば“ネット市民”の蜂起によって国家指導者が放逐された例として、歴史に刻まれることになろう。それを可能にしたのは、チュニジアの近代的な通信インフラやインターネット接続の普及、完全デジタル化された携帯電話ネットワークである。
ベンアリ大統領は長年にわたって言論を弾圧してきたが、今回の革命の発端となったのは昨年12月17日に起きた、路上で物売りをしていたモハメド・ボアジジ氏の抑圧体制に抗議する焼身自殺である。イーサン・ザッカーマン氏(ネットとメディアの米著名研究者)による、チュニジアでの一連の出来事を伝える優れた記事を以下にご紹介しよう。
【記事リンク】 ・The Facts On Investing In Tunisia (投資先としてのチュニジア) ・Anonymous Plans To Hack And Deface More Government Web Sites (「アノニマス」のサイバー攻撃対象政府サイトが増えている) ・Why Apple Will Do Perfectly Fine Without Steve Jobs (ジョブズ抜きでもアップルが盤石な訳) ・The New York Times Fails To Deliver Stuxnet’s Creators (「スタックスネット」ワームの制作者の特定に失敗したニューヨーク・タイムズ紙) ・Theories Mount That Stuxnet Worm Sabotaged Iranian Nuke Facilities (イラン核設備トラブルの原因が「スタックスネット」ワームとの説、有力に) |
---|
「ボアジジ氏の自殺は、同じように不満を募らせていた他のチュニジアの人々の共感を呼んだ。中部シディブジッドでは何千人もの群衆が失業のまん延や政府の汚職、機会の欠如に抗議する街頭デモに参加した。ここでもラシーン・ナジ氏という不満を抱えた若者が送電用の鉄塔によじ登り、『悲惨な生活に反対!失業に反対!』と叫んだ後、高圧線を握って自殺する事件が起きた」
「それに対しチュニジア政府は、警棒や催涙ガスで武装した支援部隊をシディブジッドに送り込んだほか、経済発展につながる事業に取り組むことを約束した。だが暴動はシディブジッドからチュニジア全土に拡大、政府は高校や大学を封鎖し、首謀者と見られる学生を逮捕したり、夜間外出禁止令を出したりした。市民メディア『グローバル・ボイシズ』に寄稿するスリム・アマモウ氏も1月6日に逮捕された。その後のアマモウ氏の消息も、逮捕理由も分かっていない」
実際の抗議行動やデモに加えて、多くのチュニジア人がソーシャルメディアを使って激しい怒りをあらわにした。それを受けてチュニジア政府は、唯一のインターネット接続業者(ISP)であるチュニジア・インターネット・エージェンシーを通じた検閲を一段と強化した。国家権力による言論弾圧を監視する国際組織IFEXによるとチュニジア政府は、SNS最大手のフェースブック、検索大手のグーグルやヤフーなどからユーザーネームやパスワードを盗もうと秘密裏にサイトを操作し、アカウント情報を消去したり、流出させたり、入手した情報を元にブロガーの居場所や接触相手を調べたりしたという。
そこへ登場したのが、告発サイト「ウィキリークス」とその創始者であるジュリアン・アサンジ氏を支持する大規模なサイバー攻撃で注目を浴びたばかりのハッカー集団「アノニマス(匿名)」だ。新たな標的としたのは、チュニジアの大統領や首相のものを含む政府系ウェブサイトで、声明では「これはチュニジア政府への警告である。我々は検閲に関与したすべての機関を標的とし、チュニジア政府が自由を求める国民の声に耳を傾けるまで攻撃の手を緩めない」と述べた。
2011年1月14日金曜日、約30日にわたって反政府デモ隊と治安部隊との激しい衝突が続いてきたチュニジアで、23年間独裁体制を敷いてきたジン・アビディン・ベンアリ大統領がとうとう政権を投げ出し、国外に亡命した。…続き (1/20)
よちよち歩きの頃から、ニコラス・ボルカー君(6)の腸は恐ろしいほどに炎症で腫れ上がり、結腸の切除など数えきれないほどの外科手術を必要とする状態となっていた。原因は不明だったが、少年が死につつあることは誰の目にも明らかだった。…続き (1/13)
2011年も新興国が世界経済の回復を主導する状況は続きそうだ。最も注目を集めているのは中国だが、インフレが抑制され、内需拡大の続くブラジル、チリなど南米諸国への投資もアジア地域に引けを取らない高いリターンをもたらしそうだ。…続き (1/6)
就活最前線 再び閉じる女子への門戸 (1/17)
ジョブズ氏休養、アップル支える経営陣の実力 (1/20)
坂本龍一氏が語る ネットへの期待と不安 (2010/12/28)
菅再改造内閣が発足 (1/19)
「おせち」共同購入サイトの落とし穴 (1/10)
チュニジア政変は「革命」なのか (1/21)
BRICs超える「成長市場」とは (1/20)
消費増税急ぐ菅内閣の危うさ (1/19)
花に見られている自分 (1/21)
遅きに失した規制緩和 (1/20)
壊しのプロは、壊すだけ (1/18)
コンビニの未来はどこに (1/17)
激安弁当、価格競争支える容器メーカーの努力 (1/21)
「消費しない若者」を増やす雇用不安 (1/18)
中古マンション、都心部で価格上昇止まる (1/21)
オゾンで毛布も手軽に洗浄できるドラム式洗濯乾燥機 (1/21)
サブウェイ、「ハムより野菜」 脱・米国流で復活 (1/19)
ビジネスにも使える 思いを伝える「和の手紙」 (1/21)
就活で陥る「自己分析」の落とし穴 (1/20)
アンドロイド携帯、これが仕事で使えるアプリ (1/16)
日経平均(円) | 10,274.52 | -162.79 | 21日 大引 |
---|---|---|---|
NYダウ(ドル) | 11,871.84 | +49.04 | 21日 16:30 |
英FTSE100 | 5,896.25 | +28.34 | 21日 16:49 |
ドル/円 | 82.57 - .60 | -0.20円高 | 22日 5:49 |
ユーロ/円 | 112.40 - .44 | +0.53円安 | 22日 5:48 |
長期金利(%) | 1.205 | ±0.000 | 21日 16:17 |
NY原油(ドル) | 89.11 | +0.25 | 21日 終値 |
「ビジネスリーダー」のおススメのコラムや更新情報をメールマガジンでお届けします。
(詳細はこちら)
経済や企業の最新ニュースのほか、大リーグやサッカーなどのスポーツニュースも満載 詳細ページへ