ベネズエラ野党指導者、総選挙の早期実施求める

今週行われたデモで死亡した学生を悼む集会に参加したカプリレス氏(26日、写真中央)

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物資不足やインフレなどの経済危機に直面する南米ベネズエラで反政府デモが激化するなか、同国の野党指導者エンリケ・カプリレス氏は27日、総選挙の早期実施のみが危機を収束させる唯一の方法だと述べた。

BBCとのインタビューに応じたカプリレス氏は、ニコラス・マドゥロ大統領がベネズエラ国民に対して「野蛮な抑圧」を行っていると批判し、「ベネズエラ国民が投票する権利をマドゥロはいつまで拒否できるのか」と語った。

今月に入り、反政府デモによる死者は30人近くに上っている。

カプリレス氏は、「政府のやっていることは防御ではない。抑圧だ。野蛮な抑圧であり、我々の憲法に違反し、人権を損なっている」と述べた。

反政府デモでこれまでに30人近くが死亡している

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カプリレス氏は2013年の大統領選でマドゥロ氏に敗れている。

カプリレス氏に対しては今月、ミランダ州知事時代に「行政上の不正」があったとして、同氏の公職就任を15年間禁止する命令が下された。カプリレス氏は、命令は憲法違反だと批判している。

カプリレス氏はベネズエラが分断されているとの見方を否定し、マドゥロ大統領の社会主義政権を支持するのは「ベネズエラ国民の2割以下だ」と主張した。

「ベネズエラ国民のさまざまな層の間に対立はない。そのようなことはベネズエラにはもうない。ベネズエラ国民に分断はない」

ベネズエラの反政府デモは、同国の最高裁判所が先月29日に、野党議員が多数を占める国会の権限を剥奪したことをきっかけに激化した。最高裁は3日後に権限剥奪を撤回したものの、デモを収束させるには手遅れだった。

野党は選挙の早期実施と野党政治家の解放を求めている。写真は今月26日に首都カラカスで起きた反政府デモ

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石油資源に恵まれるベネズエラが政治・経済危機に直面している責任は、マドゥロ氏にあると野党は主張。2018年末に予定される大統領選の繰り上げ実施を要求している。

カプリレス氏は、4年前のマドゥロ大統領就任以降に逮捕された野党政治家たちの解放を求めた。

「(政府は)現在、警察に包囲された誘拐犯のようなものだ。包囲されてもなお人質を殺し、警察を殺し、無事逃げおおせると思っている。彼らは間違っている。計算間違いをした」とカプリレス氏は批判している。