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洗濯こだわれば二槽式
汚れ落ち確認も楽しく
洗濯槽と脱水槽に分かれた二槽式洗濯機が根強い人気を保っている。海外メーカーの新製品が今春発売され、国内メーカーも製造を続けている。全自動洗濯機と比べ機能は単純だが、「分け洗いが簡単」「汚れ落ちが途中で確認できる」――などが、年配者や洗濯にこだわる家庭に支持されているようだ。
分けて洗う
二槽式洗濯機は昭和40年代に普及が進んだ。洗い、脱水、すすぎ、脱水の手順で洗濯し、その度に衣類を移す作業が必要。
埼玉県越谷市の主婦関戸京子さん(67)は、二槽式洗濯機を使い続けて45年になる。現在5台目という。「分け洗いも、節水しながら簡単にできます」
まずシャツやタオルなどを洗い、脱水している間に同じ洗濯水で靴下やその他の下着を洗い、次に足ふきマットと、汚れが少ない順に洗濯水を使い回す。すすぎも同じ順序で行う。洗濯槽と脱水槽を同時に使うので時間も短縮できる。「衣類が真っ白になるのが見える気持ちよさは、二槽式ならでは」と関戸さん。
現在、一般家庭では洗濯機のほとんどが全自動となったが、二槽式も5%ほど使われているとみられる。地方や年配者を中心に、人気は根強い。
中国の家電メーカー、ハイアールは今年4月、日本国内向けに洗濯容量が12キロ・グラムの大型二槽式洗濯機を発売。郊外の家電量販店で好評という。「機能や操作がシンプルで年配の人も理解しやすい」と同社。汚れの落ち具合を確認しながら、洗う時間などの微調整もできる。全自動より手間はかかるが、洗い上がりの良さが支持されているという。
根強い人気
三洋電機、東芝など国内の家電メーカーも、二槽式の製造を続けている。このうち日立は、7機種の二槽式をそろえる。「家族の人数が多い家庭や洗濯にこだわりを持っている家庭など、まだまだ二槽式の愛用者がいる」と担当者。
基本的な機能はほとんど変わっていないが、洗濯容量を大きくした機種、プラスチック製だった脱水槽をステンレス製にし脱水機能を強化した機種、脱水時に風をあてる乾燥機能をつけた機種など、付加価値を向上させたものもある。
黒ずみ防止
漫画家で、家事問題に詳しい赤星たみこさん(52)も二槽式の愛用者。自宅には全自動もあるが、5年前に二槽式を購入し、もっぱらこちらを使っている。
「洗濯機に任せきりだと、十分に汚れが落ちていなくても洗濯が終わってしまうことがあり、衣類のにおいや黒ずみの原因になる場合もある。二槽式だと、洗濯についての意識が高まり、洗濯が楽しくなります」と赤星さん。
赤星さんはさらに、全自動の二槽式的な使い方も提案している。洗った洗濯物を一度バケツに取り出し、同じ洗濯水で次の汚れ物を洗い、すすぎ、脱水も出し入れしながら行う――という方法。
「試した人からは『汚れ落ちがよくなった』『洗濯物がにおわなくなった』といった声を聞きます。手間がかかりますが、試してみては」と話す。読売新聞のホームページ上の「新おとな総研」で連載している「赤星流 エゴロジストな暮らし」でも、二槽式的な使い方を紹介している。
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