iPS細胞で角膜治療、慶応大の臨床研究を了承 厚労省
神宮司実玲
角膜が濁って視力が低下する「水疱(すいほう)性角膜症」の患者に、iPS細胞からつくった角膜の細胞を移植する慶応大のチームの臨床研究計画が6月30日、厚生労働省の部会で了承された。移植後1年かけて、安全性や有効性を調べる。
この病気は角膜の内側にあり、角膜を透明に保つ「角膜内皮細胞」が減る。角膜に水がたまり、白く濁って視力が低下する。チームによると、唯一の治療法は亡くなったドナーからの角膜移植だが、国内のドナーは年間2千件弱にとどまる。移植を待つ人は国内に約1万人いるとされ、移植を希望しても1年以上順番を待つ状況が続いているという。
対象は角膜移植を受けた後にこの病気を再発した45~85歳の患者3人。京都大iPS細胞研究財団が備蓄している他人からつくったiPS細胞を、角膜内皮細胞と同じはたらきを持つ細胞に変化させて使う。
手術は、一度角膜の外側を切…