日軽金、純利益6割減 3月期決算、雨畑ダム対策で特損

 駿河湾産サクラエビの不漁をきっかけに注目される雨畑ダム(山梨県早川町)を管理する日本軽金属の持ち株会社日軽金ホールディングス(HD)は15日、2020年3月期連結決算を発表した。コロナ禍による取引先の需要減少などを受け、売上高は前期比6・9%減の4659億円、経常利益は同24・5%減の234億円、純利益は同63・6%減の74億円で、減収減益となった。
 ダム上流の水害防止のために堆砂除去など国から抜本対策を行政指導され、110億円を特別損失として計上したことが響いた。日軽金は4月、総貯水容量1365万立方メートルのうちほとんどが土砂で埋まるダムについて、5年間で700万立方メートル(東京ドーム5杯分)を外部に搬出する計画を国に提出した。
 ダムはもともと上流からの土砂流入が激しく、毎年新たに平均50万立方メートルの堆砂が発生する一方、日軽金は搬出計画で触れないままだ。日軽金蒲原製造所(静岡市清水区)は15日の取材に「20~21年度の対策費を特損に計上した。22年度以降は合理的な見積もりが可能となった時点で情報開示する」と書面で回答するにとどめた。

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