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I.二次性徴の成熟 II.思春期のホルモン III.思春期の成熟と成長
思春期の性成熟と成長
III.思春期の成熟と成長
 思春期は、二次性徴の発現・成熟と共に、成長のスパートがみられる時期である。思春期の成長は、成長ホルモンの分泌も思春期に増大するため思春期の成長に関与しているが、主には性ホルモンの影響によるもので、当然二次性徴の発現・成熟と密接な関係がある。
 図3に女子の乳房成熟、ピーク成長率、初経年齢の累積頻度曲線を示した2)3)。Tanner 2度の平均年齢は9.74±1.09歳、平均身長は134.1±6.8cm、平均体重は29.5±4.3kgであった。このデータから思春期開始年齢の標準値(平均±2 SD)は、7歳7ヶ月〜11歳11ヶ月と考えられた。ピーク成長率時の平均年齢は10.88±0.89歳、平均身長は142.4±5.7cm、平均体重は34.3±4.7kg、初経時の平均年齢は12.24±0.93歳、平均身長は151.4±6.0cm、平均体重は40.9±5.7kgであった。

 男子の精巣が約4mlに増大する平均年齢は 11歳6ヶ月前後、平均身長は約145 cmである4)。成長速度のピークは男子は約13歳で、その時の平均成長速度は約10cm/年にも達する。
図4は成長速度曲線と二次性徴の成熟と共に示した。 女子においては、思春期開始時には成長率がすでに上昇しており、1〜2年の間に成長率のピークを迎える。初経は通常成長率のピークをすぎてからおこり、初経から成人身長までの伸びは、健常女子においては5〜6cmである。健常女子においては思春期開始から成人身長までの伸びは約25cmだが、低身長女子では18〜19cmである2) 5)。男子は思春期が開始したときは、まだ成長率は上昇していない。思春期開始後約1年半〜2年で成長率のピークを迎える。声変わりは、成長率のピークを過ぎることに起こる。健常男子は、思春期開始から成人身長までの伸びは約30cmで、低身長男子では約25〜26cmである5)。

 いままで述べた、思春期の成長は、あくまでも平均的な成長パターンで、個々の子どもの成長パターンは、個人差が大きいことを念頭においておかなければならない。
おわりに
 思春期は性の成熟の時期で、最終的に生殖機能を獲得・維持するようになるが、それと同時に成長の終了の時期でもある。成長が止まる、すなわち骨端線が閉鎖する機構には性ホルモンが関与している。子どもの思春期をみるときには、二次性徴の成熟と共に、成長を同時にみていく必要がある。
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