2場所連続36回目の優勝を狙った横綱白鵬(30)が初日から連敗、15日に休場を決めたが、こちらも心配だ。今場所もまた、日本相撲協会・北の湖理事長(62)の体調が思わしくないのだ。12日の土俵祭りも腰痛を理由に欠席。そして初日恒例の横綱以下、三役以上の力士を従えての協会あいさつも休み、協会NO・2の八角事業部長(元横綱北勝海)が代理を務めた。
今場所も初日から午前8時20分には満員札止めになった。取組開始が同8時30分だから、その10分も前に入場券が完売した。そんな大相撲の隆盛ぶりの裏で、協会首脳の顔には陰りが浮かんでいる。
もっとも、北の湖理事長の体調異変はこれが初めてではない。2012年には直腸がんを発病し、内視鏡手術を受けている。去年の初場所の際には、大腸ポリープの除去手術から腸閉そくを併発し、9日目まで休場した。
さらに先場所も体調不良を訴えて7日目に名古屋から緊急帰京して入院。腎臓内に尿が溜まる「両側水腎症」と診断されて、手術を受けた。やっと職場復帰を果たしたのは8月に入ってからだった。
このように症状の深刻さだけでなく、発病の間隔が縮まってきているのも気になるところだ。
13日、報道陣の取材に応じた北の湖理事長は「腰も悪いことは悪いんだけど、昨日、胸ポケットの薬を取り出そうとしたとき、左目を突いてしまったんだ。見えることは見えるけど、内出血が引くまで1カ月近くかかるらしい。良くなるのは口だけ。もう体はヨレヨレだよ」とため息をついた。
白鵬も、北の湖理事長も、大事に至らなければいいが−。 (大見信昭)