地震の初期微動をとらえ、その後に来る大きな揺れを予測する気象庁の緊急地震速報システムが16日の宮城県沖の地震で稼働し、仙台市内では大きな揺れが来る14秒前に震度情報が届いていたことがわかった。
地震が発生すると、まず小さな縦波(P波、秒速約7キロ)が届き、その後に大きな横波(S波、同約4キロ)が来る。この「時差」に着目したのがこのシステムで、昨年2月から導入された。現在、同庁は全国の病院やエレベーター、鉄道会社など約140機関に試験的に情報を送っている。
同庁によると、宮城県内で情報提供しているのは、東北大学大学院や仙台市立長町小学校など5機関。16日の地震で震度5強の揺れがあった同市内の同大学院などには、揺れが来る14秒前に「予想震度5弱程度以上」との情報が送られていた。
長町小学校では震度4以上の情報を受けると自動的に校内放送で避難を呼びかける仕組みになっていたが、パソコンがフリーズしており、作動しなかったという。
気象庁の推計では、最初の緊急地震情報を出してから地震が来るまでの時差は、宮城県石巻市で10秒、最大震度6弱の揺れがあった宮城県川崎町で22秒、東京・大手町で70秒と推計している。