そごう・西武、31日のスト実行へ 大手デパートでは60年ぶりスト
大手百貨店そごう・西武の労働組合は30日、ストライキを実施することを決めた。ストは31日に西武池袋本店(東京都豊島区)で実施し、午前10時の開店から終日を予定。そごう・西武は終日全館休業にする。そごう・西武労組は、米投資ファンドへのそごう・西武の売却を決めた親会社セブン&アイ・ホールディングス(HD)に対し、売却の決議を強行すればストを実行すると伝えて回答を求めていたが、売却の決議をしないとの確認がとれなかった。セブン&アイは31日に臨時取締役会を開いて売却を決議する方向だ。
組合員約4千人(パートを含む)のうち、池袋本店で働く約千人が出社を取りやめる。流通・サービスの労組から成る産業別組織UAゼンセンによると、大手百貨店でのストは1962年の阪神百貨店以来約60年ぶりとなる。
セブン&アイは売却の決議を急ぐ理由について「そごう・西武の速やかな再成長を期する時機に至っている。売却の一日も早い実現こそが、雇用維持及び事業継続に最も資する」としている。
セブン&アイは昨年11月に米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループにそごう・西武を売却する契約を結び、今年2月に売却を実行する予定だった。だが池袋本店の低層階に家電量販大手ヨドバシHDが出店する計画がわかり、雇用維持を求める労組や街の顔が変わることを懸念する地権者らとの調整が難航し、延期された。(末崎毅、編集委員・沢路毅彦)