第1章 | 総 則 | (第1条~第3条) |
第2章 | 特定工場等に関する規制 | (第4条~第13条) |
第3章 | 特定建設作業に関する規制 | (第14条~第15条) |
第4章 | 自動車騒音に係る許容限度等 | (第16条~第19条の2) |
第5章 | 雑 則 | (第20条~第28条) |
第6章 | 罰 則 | (第29条~第33条) |
第1章 総 則 | 前・最初・次 |
(目的) | |||
第1条 | この法律は、工場及び事業場における事業活動並びに建設工事に伴つて発生する相当範囲にわたる騒音について必要な規制を行なうとともに、自動車騒音に係る許容限度を定めること等により、生活環境を保全し、国民の健康の保護に資することを目的とする。 | ||
(定義) | |||
第2条 | この法律において「特定施設」とは、工場又は事業場に設置される施設のうち、著しい騒音を発生する施設であつて政令で定めるものをいう。 | ||
2 | この法律において「規制基準」とは、特定施設を設置する工場又は事業場(以下「特定工場等」という。)において発生する騒音の特定工場等の敷地の境界線における大きさの許容限度をいう。 | ||
3 | この法律において「特定建設作業」とは、建設工事として行なわれる作業のうち、著しい騒音を発生する作業であつて政令で定めるものをいう。 | ||
4 | この法律において「自動車騒音」とは、自動車(道路運送車両法(昭和26年法律第185号)第2条第2項に規定する自動車であつて環境省令で定めるもの及び同条第3項に規定する原動機付自転車をいう。以下同じ。)の運行に伴い発生する騒音をいう。 | ||
(地域の指定) | |||
第3条 | 都道府県知事は、住居が集合している地域、病院又は学校の周辺の地域その他の騒音を防止することにより住民の生活環境を保全する必要があると認める地域を、特定工場等において発生する騒音及び特定建設作業に伴つて発生する騒音について規制する地域として指定しなければならない。 | ||
2 | 都道府県知事は、前項の規定により地域を指定しようとするときは、関係市町村長の意見をきかなければならない。 | ||
3 | 都道府県知事は、第1項の規定により地域を指定するときは、環境省令で定めるところにより、公示しなければならない。 |
第2章 特定工場等に関する規制 | 前・最初・次 |
(規制基準の設定) | |||
第4条 | 都道府県知事は、前条第1項の規定により地域を指定するときは、環境大臣が特定工場等において発生する騒音について規制する必要の程度に応じて昼間、夜間その他の時間の区分及び区域の区分ごとに定める基準の範囲内において、当該地域について、これらの区分に対応する時間及び区域の区分ごとの規制基準を定めなければならない。 | ||
2 | 市町村は、前条第1項の規定により指定された地域(以下「指定地域」という。)の全部又は一部について、当該地域の自然的、社会的条件に特別の事情があるため、前項の規定により定められた規制基準によつては当該地域の住民の生活環境を保全することが十分でないと認めるときは、条例で、環境大臣の定める範囲内において、同項の規制基準にかえて適用すべき規制基準を定めることができる。 | ||
3 | 前条第3項の規定は、第1項の規定による規制基準の設定並びにその変更及び廃止について準用する。 | ||
(規制基準の遵守義務) | |||
第5条 | 指定地域内に特定工場等を設置している者は、当該特定工場等に係る規制基準を遵守しなければならない。 | ||
(特定施設の設置の届出) | |||
第6条 | 特定地域内において工場又は事業場(特定施設が設置されていないものに限る。)に特定施設を設置しようとする者は、その特定施設の設置の工事の開始の日の30日前までに、環境省令で定めるところにより、次の事項を市町村長に届け出なければならない。
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2 | 前項の規定による届出には、特定施設の配置図その他環境省令で定める書類を添附しなければならない。 | ||
(経過措置) | |||
第7条 | 一の地域が指定地域となつた際現にその地域内において工場若しくは事業場に特定施設を設置している者(設置の工事をしている者を含む。以下この項において同じ。)又は一の施設が特定施設となつた際現に指定地域内において工場若しくは事業場(その施設以外の特定施設が設置されていないものに限る。)にその施設を設置している者は、当該地域が指定地域となつた日又は当該施設が特定施設となつた日から30日以内に、環境省令で定めるところにより、前条第1項各号に掲げる事項を市町村長に届け出なければならない。 | ||
2 | 前条第2項の規定は、前項の規定による届出についで準用する。 | ||
(特定施設の数等の変更の届出) | |||
第8条 | 第6条第1項又は前条第1項の規定による届出をした者は、その届出に係る第6条第1項第3号又は第4号に掲げる事項の変更をしようとするときは、当該事項の変更に係る工事の開始の日の30日前までに、環境省令で定めるところにより、その旨を市町村長に届け出なければならない。 | ||
2 | 第6条第2項の規定は、前項の規定による届出について準用する。 | ||
(計画変更勧告) | |||
第9条 | 市町村長は、第6条第1項又は前条第1項の規定による届出があつた場合において、その届出に係る特定工場等において発生する騒音が規制基準に適合しないことによりその特定工場等の周辺の生活環境が損なわれると認めるときは、その届出を受理した日から30日以内に限り、その届出をした者に村し、その事態を除去するために必要な限度において、騒音の防止の方法又は特定施設の使用の方法若しくは配置に関する計画を変更すべきことを勧告することができる。 | ||
(氏名の変更等の届出) | |||
第10条 | 第6条第1項又は第7条第1項の規定による届出をした者は、その届出に係る第6条第1項第1号若しくは第2号に掲げる事項に変更があつたとき、又はその届出に係る特定工場等に設置する特定施設のすべての使用を廃止したときは、その日から30日以内に、その旨を市町村長に届け出なければならない。 | ||
(承継) | |||
第11条 | 第6条第1項又は第7条第1項の規定による届出をした者からその届出に係る特定工場等に設置する特定地点のすべてを譲り受け、又は借り受けた者は、当該特定施設に係る当該届出をした者の地位を承継する。 | ||
2 | 第6条第1項又は第7条第1項の規定による届出をした者について相続又は合併があつたときは、相続人又は合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人は、当該届出をした者の地位を承継する。 | ||
3 | 前2項の規定により第6条第1項又は第7条第1項の規定による届出をした者の地位を承継した者は、その承継があつた日から30日以内に、その旨を市町村長に届け出なければならない。 | ||
(改善勧告及び改善命令) | |||
第12条 | 市町村長は、指定地域内に設置されている特定工場等において発生する騒音が規制基準に適合しないことによりその特定工場等の周辺の生活環境が損なわれると認めるときは、当該特定工場等を設置している者に対し、期限を定めて、その事態を除去するために必要な限度において、騒音の防止の方法を改善し、又は特定施設の使用の方法若しくは配置を変更すべきことを勧告することができる。 | ||
2 | 市町村長は、第9条の規定による勧告を受けた者がその勧告に従わないで特定施設を設置しているとき、又は前項の規定による勧告を受けた者がその勧告に従わないときは、期限を定めて、同条又は同項の事態を除去するために必要な限度において、騒音の防止の方法の改善又は特定施設の使用の方法若しくは配置の変更を命ずることができる。 | ||
3 | 前2項の規定は、第7条第1項の規定による届出をした者の当該届出に係る特定工場等については、同項に規定する指定地域となつた日又は同項に規定する特定施設となつた日から3年間は、適用しない。 | ||
(小規模の事業者に対する配慮) | |||
第13条 | 市町村長は、小規模の事業者に対する第9条又は前条第1項若しくは第2項の規定の適用に当つては、その者の事業活動の遂行に著しい支障を生ずることのないよう当該勧告又は命令の内容について特に配慮しなければならない。 |
第3章 特定建設作業に関する規制 | 前・最初・次 |
(特定建設作業の実施の届出) | |||
第14条 | 指定地域内において特定建設作業を伴う建設工事を施工しようとする者は、当該特定建設作業の開始の日の7日前までに、環境省令で定めるところにより、次の事項を市町村長に届け出なければならない。ただし、災害その他非常の事態の発生により特定建設作業を緊急に行う必要がある場合は、この限りでない。
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2 | 前項ただし書の場合において、当該建設工事を施工する者は、速やかに、同項各号に掲げる事項を市町村長に届け出なければならない。 | ||
3 | 前2項の規定による届出には、当該特定建設作業の場所の附近の見取図その他環境省令で定める書類を添附しなければならない。 | ||
(改善勧告及び改善命令) | |||
第15条 | 市町村長は、指定地域内において行われる特定建設作業に伴つて発生する騒音が昼間、夜間その他の時間の区分及び特定建設作業の作業時間等の区分並びに区域の区分ごとに環境大臣の定める基準に適合しないことによりその特定建設作業の場所の周辺の生活環境が著しく損なわれると認めるときは、当該建設工事を施工する者に対し、期限を定めて、その事態を除去するために必要な限度において、騒音の防止の方法を改善し、又は特定建設作業の作業時間を変更すべきことを勧告することができる。 | ||
2 | 市町村長は、前項の規定による勧告を受けた者がその勧告に従わないで特定建設作業を行つているときは、期限を定めて、同項の事態を除去するために必要な限度において、騒音の防止の方法の改善又は特定建設作業の作業時間の変更を命ずることができる。 | ||
3 | 市町村長は、公共性のある施設又は工作物に係る建設工事として行われる特定建設作業について前2項の規定による勧告又は命令を行うに当つては、当該建設工事の円滑な実施について特に配慮しなければならない。 |
第4章 自動車騒音に係る許容限度等 | 前・最初・次 |
(許容限度) | |||
第16条 | 環境大臣は、自動車が一定の条件で運行する場合に発生する自動車騒音の大きさの許容限度を定めなければならない。 | ||
2 | 自動車騒音日の防止を図るため、国土交通大臣は、道路運送車両法に基づく命令で、自動車騒音に係る規制に関し必要な事項を定める場合には、前項の許容限度が確保されるように考慮しなければならない。 | ||
(判定に基づく要請及び意見) | |||
第17条 | 市町村長は、第21条の2の測定を行つた場合において、指定地域内における自動車騒音が環境省令で定める限度を超えていることにより道路の周辺の生活環境が著しく損なわれると認めるときは、都道府県公安委員会に対し、道路交通法(昭和35年法律第105号)の規定による措置を執るべきことを要請するものとする。 | ||
2 | 環境大臣は、前項の環境省令を定めようとするときは、あらかじめ、国家公安委員会に協議しなければならない。 | ||
3 | 市町村長は、第1項の規定により要請する場合を除くほか、第21条の2の測定を行つた場合において必要があると認めるときは、当該道路の部分の構造の改善その他自動車騒音の大きさの減少に資する事項に関し、道路管理者又は関係行政機関の長に意見を述べることができる。 | ||
(常時監視) | |||
第18条 | 都道府県知事は、自動車騒音の状況を常時監視しなければならない。 | ||
2 | 都道府県知事は、前項の常時監視の結果を環境大臣に報告しなければならない。 | ||
(公表) | |||
第19条 | 都道府県知事は、当該都道府県の区域に係る自動車騒音の状況を公表するものとする。 | ||
(環境大臣の指示) | |||
第19条の2 | 環境大臣は、自動車騒音により人の健康に係る被害が生ずることを防止するため緊急の必要があると認めるときは、次の各号に掲げる者に対し、当該各号に定める事務に関し必要な指示をすることができる。
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第5章 雑 則 | 前・最初・次 |
(報告及び検査) | |||
第20条 | 市町村長は、この法律の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、特定施設を設置する者若しくは特定建設作業を伴う建設工事を施工する者に対し、特定施設の状況、特定建設作業の状況その他必要な事項の報告を求め、又はその職員に、特定施設を設置する者の特定工場等若しくは特定建設作業を伴う建設工事を施工する者の建設工事の場所に立ち入り、特定施設その他の物件を検査させることができる。 | ||
2 | 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。 | ||
3 | 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。 | ||
(電気工作物等に係る取扱い) | |||
第21条 | 電気事業法(昭和39年法律第170号)第2条第1項第14号に規定する電気工作物、ガス事業法(昭和29年法律第51号)第2条第12項に規定するガス工作物又は鉱山保安法(昭和24年法律第70号)第8条第1項に規定する建設物、工作物その他の施設(同法第2条第2項ただし書に規定する附属施設に設置されるものを除く。)である特定施設を設置する者については、第6条から第11条までの規定並びに第12条第2項及び第13条の規定(第9条に係る部分に限る。)の規定を適用せず、電気事業法、ガス事業法又は鉱山保安法の相当規定の定めるところによる。 | ||
2 | 前項に規定する法律に基づく権限を有する国の行政機関の長(以下この条において単に「行政機関の長」という。)は、第6条、第8条、第10条又は第11条第3項の規定に相当する電気事業法、ガス事業法又は鉱山保安法の規定による前項に規定する特定施設に係る許可若しくは認可の申請又は届出があつたときは、その許可若しくは認可の申請又は届出に係る事項のうちこれらの規定による届出事項に該当する事項を当該特定施設の所在地を管轄する市町村長に通知するものとする。 | ||
3 | 市町村長は、第1項に規定する特定施設を設置する特定工場等において発生する騒音によりその特定工場等の周辺の生活環境が損なわれると認めるときは、行政機関の長に対し、当該特定施設について、第9条又は第12条第2項(第9条に係る部分に限る。)の規定に相当する電気事業法、ガス事業法又は鉱山保安法の規定による措置を執るべきことを要請することができる。 | ||
4 | 行政機関の長は、前項の規定による要請があつた場合において講じた措置を当該市町村長に通知するものとする。 | ||
5 | 市町村長は、第1項に規定する特定施設について、第12条第1項の規定による勧告又は同条第2項の規定による命令(同条第1項の規定による勧告に係るものに限る。)をしようとするときは、あらかじめ、行政機関の長に協議しなければならない。 | ||
(騒音の測定) | |||
第21条の2 | 市町村長は、指定地域について、騒音の大きさを測定するものとする。 | ||
(関係行政機関の協力) | |||
第22条 | 都道府県知事は、この法律の目的を達成するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長又は関係地方公共団体の長に対し、特定施設の状況、特定建設作業の状況等に関する資料の送付その他の協力を求め、又は騒音の防止に関し意見を述べることができる。 | ||
(国の援助) | |||
第23条 | 国は、特定工場等において発生する騒音及び特定建設作業に伴つて発生する騒音の防止のための施設の設置又は改善につき必要な資金のあつせん、技術的な助言その他の援助に努めるものとする。 | ||
(研究の推進等) | |||
第24条 | 国は、騒音を発生する施設の改良のための研究、騒音の生活環境に及ぼす影響の研究その他騒音の防止に関する研究を推進し、その成果の普及に努めるものとする。 | ||
(政令で定める市町村の長による事務の処理) | |||
第25条 | この法律の規定により都道府県知事の権限に属する事務の一部は、政令で定めるところにより、政令で定める市町村(特別区を含む。)の長が行うこととすることができる。 | ||
(事務の区分) | |||
第26条 | 第18条の規定により都道府県が処理することとされている事務は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第2条第9項第1号に規定する第1号法定受託事務とする。 | ||
(条例との関係) | |||
第27条 | この法律の規定は、地方公共団体が、指定地域内に設定される特定工場等において発生する騒音に関し、当該地域の自然的、社会的条件に応じて、この法律とは別の見地から、条例で必要な規制を定めることを妨げるものではない。 | ||
2 | この法律の規定は、地方公共団体が、指定地域内に設置される工場若しくは事業場であつて特定工場等以外のもの又は指定地域内において建設工事として行なわれる作業であつて特定建設作業以外のものについて、その工場若しくは事業場において発生する騒音又はその作業に伴つて発生する騒音に関し、条例で必要な規制を定めることを妨げるものではない。 | ||
(深夜騒音等の規制) | |||
第28条 | 飲食店営業等に係る深夜における騒音、拡声機を使用する放送に係る騒音等の規制については、地方公共団体が、住民の生活環境を保全するため必要があると認めるときは、当該地域の自然的、社会的条件に応じて、営業時間を制限すること等により必要な措置を講ずるようにしなければならない。 |
第6章 罰 則 | 前・最初・次 |
第29条 | 第12条第2項の規定による命令に違反した者は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。 | ||
第30条 | 第6条第1項の規定による届出をせず、若しくは虚偽の届出をした者又は第15条第2項の規定による命令に違反した者は、5万円以下の罰金に処する。 | ||
第31条 | 第7条第1項、第8条第1項若しくは第14条第1項の規定による届出をせず、若しくは虚偽の届出をした者又は第20条第1項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、3万円以下の罰金に処する。 | ||
第32条 | 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前3条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。 | ||
第33条 | 第10条、第11条第3項又は第14条第2項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、1万円以下の過料に処する。 |