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【パトリック・ハーラン】米ハーバード大卒の秀才が「出来心で日本へ」 (2/2ページ)

2014.06.04


パトリック・ハーラン【拡大】

 「2年前の夏のある日、携帯電話で池上さんから『突然なんだけれど、講師をやってみないか』とお誘いを受けて。迷わず即決でしたね」

 その年の10月から、理系の最高峰、東京工業大学で非常勤講師に就任。「コミュニケーションと国際関係」をテーマに教鞭をとっている。1回目の講義は、同大で最大の270人収容の教室を使用し、立ち見の受講者が出る盛況ぶりだった。

 「何を教えようかと考えたんですが、コミュニケーション障害と自称する学生が多いことがわかって、21世紀に日本が必要としているスキル、理系としてのスキル、喋るというスキルの3点をマッチさせました」

 白熱講義は『ツカむ!話術』(角川oneテーマ21)となって新書版の1冊になった。

 「ボクには子供が2人いますけれど、3人目ができたという感じ。つくり上げるのに時間がかかりましたよ」

 アメリカの歴代大統領のスピーチ術、芸人としての笑いの研究などの実践例を軽妙な筆致で解説。コミュニケーションにおける説得力の要素はエトス(話す側の人格的信頼性)、パトス(相手の感情に働きかける力)、ロゴス(論理性がある話、論理的な表現)の3つだという。

 「なかでもエトスが一番必要で、その次がパトス。3つがそろえば最高。話術のうまい人は自然にそろっちゃうんですけれどね」

 3つの要素を確認して見つけながら講義、講演を聴くのも面白い実践術だという。

 「知恵や経験が足りないならエトス。話に工夫がないならロゴス。みんなが無関心ならパトスに問題があるということなんですよ」

 どんなに小さい社会であっても必要となるのはコミュニケーションだ。

 「会社でも恋愛関係であっても社会は生まれる。欲しいものは話術によって手に入ることが多いと信じています」

 次にパックンがツカむものは何だろう。 (ペン・高山和久 カメラ・矢島康弘)

 ■Patrick Harlan(パトリック・ハーラン) タレント。1970年11月14日生まれ、43歳、米国コロラド州出身。93年にハーバード大学卒業後に来日。97年、お笑いコンビ「パックンマックン」を結成。「爆笑オンエアバトル」(NHK総合)で頭角をあらわす。2003年にラスベガス、07年はハリウッドで英語漫才を披露し成功を収める。「実践!英語でしゃべらナイト」(NHK Eテレ)をはじめ、多くのテレビ・ラジオ番組に出演。08年、相模女子大学の客員教授に就任。12年10月から東工大非常勤講師に。

 毎月最後の水曜日に東京・自由が丘のオキャロランズ(アイリッシュパブ)で「パックンマックンショー」を開いている(入場無料・1ドリンク別)。

 

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