JIS法改正(産業標準化法)
1. 工業標準化法の一部改正
平成30年第196会通常国会において、「不正競争防止法等の一部を改正する法律」(法律第33号)が可決成立し、工業標準化法が一部改正され、“産業標準化法”に変わり、日本工業規格(JIS)が日本産業規格(JIS)に変わります。
2. 背景・目的
第四次産業革命の下、IoTやAIなどの情報技術の革新が進み、企業の競争力は、データやその活用に移り変わってきています。こうした中、ビッグデータ等と産業とのつながりにより新たな付加価値が創出される産業社会(コネクテッド・インダストリーズ)への対応が、我が国産業の喫緊の課題となっています。
また、近年では、モノだけではなく、マネジメント分野、サービス分野等の規格が制定されるようになったほか、第 4 次産業革命の中で自動走行、スマートマニュファクチャリングなど業種を越えた国際標準化が進みつつあり、標準化の対象やプロセスにも変化が現れています。
様々な環境変化に対応するため、日本における標準化活動の基盤となっている工業標準化法について、①データ、サービス等への対象拡大、②JISの制定・改正の迅速化、③JISマークによる企業間取引の信頼性確保、④官民の国際標準化活動の促進を図る改正を行います。
3. 改正のポイント
①JISの対象拡大・名称変更
標準化の対象にデータ、サービス、経営管理等を追加し、「日本工業規格(JIS)」 を「日本産業規格(JIS)」に、法律名を「産業標準化法」に改めます。
※対象分野の標準化手続きは2018年11月29日から可能になります。
【経過措置】旧JIS法に基づくJISは、次の改正までの間新法に基づくものとみなします。
旧JIS法に基づくJISマーク認証等は新法に基づくものとみなします。
英語名称(Japanese Industrial Standards)は継続します。
②JIS制定の民間主導による迅速化
JIS制定手続きについて、専門知識等を有する民間機関を認定し、その機関が作成したJIS案について、審議会の審議を経ずに制定するスキームを追加します。
※認定機関の申請と認定は2018年11月29日から可能になります。
③罰則の強化
国内素材メーカーの一連の品質データ不正事案の中で、JISマーク認証取消しが発生したことを踏まえ、JISマークを用いた企業間取引の信頼性確保のため、認証を受けずにJISマークの表示を行った法人等に対する罰金刑の上限を1億円に引き上げます(現行は自然人と同額の上限100万円)。
【施行日】2019年7月1日
④国際標準化の促進
法目的に国際標準化の促進を追加するとともに、産業標準化及び国際標準化に関する、国、国研・大学、事業者等の努力義務規定を設けます。
【施行日】2019年7月1日