彫刻家高田博厚展を開催=埼玉県東松山市〔地域〕

2018年11月09日10時28分

高田の代表的なトルソの作品「カテドラル」(手前)越しに、高田と交流のあったロマン・ロランらの肖像彫刻とデッサンが並んでいる=8日午前、埼玉県東松山市(同市教委提供)

 埼玉県東松山市で、彫刻家の高田博厚(1900~87年)の展示会が開かれている。昨年、高田の遺族から市に寄贈された神奈川県鎌倉市のアトリエにあった彫刻作品やデッサン、書簡など数千点のうち約60点が公開されている。18日まで。
 戦前から戦後にかけてフランスで近代彫刻を学んだ高田と市とのつながりは、市教育長だった故田口弘氏が高田の彫刻32体が並ぶ市内の「高坂彫刻プロムナード」の整備を提案したことがきっかけ。

鎌倉にあった高田のアトリエを再現したコーナー=8日午前、東松山市(同市教委提供)

 会場には、高田と交流のあったフランスの作家ロマン・ロラン、画家のジョルジュ・ルオー、哲学者のアランの彫刻作品とデッサンなどを展示。高田がフランスから持ち帰ったロマン・ロランやアランの直筆署名入りの書籍などが並ぶ。高田のアトリエの一部も再現した。
 11日には、高田が使っていたパリ郊外のアトリエを引き継いだ文化勲章受章者で洋画家の野見山暁治東京芸大名誉教授と、芥川賞受賞者でフランス文学者の堀江敏幸早大教授との対談形式の特別講演会も開催。
 市教育委員会教育部の柳沢知孝次長は「高田というすごい日本人がいたということを知っていただき、忘れられようとしている人物を見直してほしい」と話している。(2018/11/09-10:28)

特集

社会用語

社会

編集部セレクション

ページの先頭へ
時事通信の商品・サービス ラインナップ