文楽は、国の重要無形文化財に指定され、ユネスコの世界無形遺産にも登録された古典芸能で、近世の大阪が産み育てた上方を代表する舞台芸術である。その文楽が揺れている。性質上、商業ベースに乗りにくいため、1963年からは財団法人による“半官半民”による運営がなされてきたが、国と共に補助金を拠出してきた大阪府と大阪市とが予算削減の措置を講じ始めたからだ。すでに大阪府は予算額を徐々に減らしていたが、特に今年、橋下徹市長が財政再建の一環として大阪市による大幅な見直しを宣言、4月5日に発表された試案では、当面、助成金の25%削減とアーツカウンシルによる評価の導入が謳われた。が、これ以上削減されないという保証はない。ことは文楽に限らない。すぐれて上質でありながら財政困難な文化を振興させるためには公的な支援が必要だ。第三者評価が正しく行われ、文化行政に過ちがないことを願って、本特集を組んだ。
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