2019 12. 12

EX FURINKAZAN

安定感NO1のチーム


昨年2位の雪辱目指す

EX風林火山
滝沢和典さん 二階堂亜樹さん
勝又健志さん
(画像左→右)

麻雀の強さを示す指標の一つに「4着回避率」がある。4人で対局し、最下位にならない割合だ。Mリーグ1年目、EX風林火山の3選手は、リーグ全体で「4着回避率」ベスト3を占めた。その守備力がレギュラーシーズン1位という好成績につながった。ファイナルシーズンは惜しくも2位で、今期は雪辱を誓う。

チームマネージャーを務める、テレビ朝日総合ビジネス局イベント事業センタープロデューサーの藤沢晴信さんに、チームのコンセプトと今後の展望について聞いた。

チームワーク重視し指名


放送通じて盛り上げたい

——まずはMリーグに参戦された経緯を教えてください。

リーグの藤田晋チェアマン(サイバーエージェント社長)から、弊社の早河洋会長・CEOにお声がけ頂いたことをきっかけに、麻雀の将来性を踏まえて参画しました。サイバーエージェントとテレビ朝日が共同でAbemaTVを開局し、元々、一緒にやっていこうという雰囲気ができていました。社内からの応援もとても大きかったです。

——チーム編成の考え方を教えてください。

初年度のドラフトでもっとも重視したのは「チームワーク」です。中心選手は、時代も鑑みて女性だと考え、女性選手の中で一番強いと言われドラマ性もある二階堂亜樹選手に決めました。

彼女を軸に、同じ団体(日本プロ麻雀連盟)で活躍する同世代の滝沢和典選手、勝又健志選手を指名できたことが一番のポイントでした。あと、二階堂亜樹選手の指名は、いわゆる「女性枠」ではなく「優勝するための指名」であったことを補足させていただきます。万が一重複で破れた場合は、次点の女性選手は準備せず、男性選手をリストアップしておりました。もともと雀力のある3人ですが、チームワークによって、好結果が生まれたと考えています。

——チームの中で、藤沢さんの役割は。

楽しい雰囲気を作ることを心がけています。監督ではないので、麻雀の内容には口出しをせず、采配なども全部選手自身に任せています。私の主な役割は、様々なイベントや企画を行い、チームを下支えして盛り上げていくことですね。

例えば、コミュニィサイト「memma」内に、EX風林火山のファンの方々のページを立ち上げ、打ち方に関する質問に選手が答えるなど、交流を図っています。チームのグッズも数多く展開中です。これからは、ファンの皆様にもグッズの開発会議に参加して頂く予定です。

——今期の目標と展望を教えてください。

目標は楽しく勝つことです。そして、さらに熱狂を外に伝えるべく、テレビ朝日は今年から麻雀番組「熱闘!Mリーグ」(毎週日曜深夜0時59分~、AbemaTVと同時放送)も放送しています。番組を通じて、Mリーグ全体、麻雀全体の盛り上がりを考えていきたい。これから伸びていく分野で、大変やりがいを感じています。


EX風林火山の選手は、18歳でプロ入りし、姉の二階堂瑠美選手とともに「麻雀界のカリスマ姉妹」として活躍してきた二階堂亜樹選手、華麗な牌さばきで、麻雀界のタッキーとも呼ばれファンが多い滝沢和典選手、圧倒的な練習量をもとに、卓越した読みの精度を誇る勝又健志選手の3人だ。チームの特長と、麻雀で身についたことを聞いた。

チームの仲間を強く信じ


自然体で隙なく対局臨む

——Mリーグという新しい舞台の印象は?

二階堂 まず、「ドラフト指名」だなんて、私には一生縁がないと思っていたので新鮮でした。チームで戦うリーグ戦も初めてでした。チームメイトの存在は、こんなにも心強いものなんだと実感しました。

滝沢 チーム戦は、個人で打つよりも重く感じました。対局中に、いろんな人の顔が浮かんでくる。だからと言って、個人戦と打ち方が変わったかはわかりませんが、ここまで重く感じるものだとは思っていませんでした。
もちろん嬉しいこともあります。パブリックビューイングに子どもが多く来てくれていることは、励みになりますね。

勝又 これまでも、大きな試合や大会は数多く経験してきました。チームで戦うMリーグは、そのどれとも異なる、大きなプレッシャーの中での戦いだと思います。

——チームの特長、もしくは見て欲しいところを教えてください。

二階堂 ネクタイやスタジアムジャンパーなど、EX風林火山はチームグッズがたくさんあるんですよ。中でも私は、赤、黒、白の3色あるチームTシャツがお気に入りで、普段から着ています。今シーズンも新作グッズの予定があるので、試合とともに楽しみにして頂けたらと思います。

滝沢 チームのカラーは、安定感というか、隙がないというか、自然体で臨めているところですね。何かに特化しているわけではありませんが、あらゆる出来事を想定して、対局相手や状況に合わせた一打を選択し続けていくことで、安定感が生まれているのかもしれません。

勝又 麻雀は4人で対局し、ある1局で上がれるのは1人だけ。つまり「自分が上がれない時間」の方がはるかに長いんです。その長い間、いかにリスクを抑え、かつ少しでも得をするのかが大事です。上がれない時に凌ぐ力は、私たちのチームが一番かなと思っています。

——麻雀を打ってきたことで、身についたことはありますでしょうか?

二階堂 「折れない、キレない、腐らない」が私の麻雀の信条です。それをまっとうするためには、短気だと言われていた自分の性格を直そうと、麻雀と向き合ってきました。若い頃に比べて、性格はすごく変わったと思っています。

滝沢 与えられたものを受け入れて、その中で何ができるかを考えるようになりました。理不尽なことにも怒らなくなったので、もしかしたら気が長くなったかもしれません。

勝又 麻雀は、どんな役を目指すのか、どの牌を切るのか、他人が切った牌を鳴くのか、攻めるのか守るのかなど、常に選択を続けるゲームです。短い時間の中で選択を繰り返すことで、判断力が鍛えられたと思いますね。また、麻雀にもセオリーがあるのですが、「セオリーと呼ばれている戦術が本当に有利なのか」と深く考えることによって、考察力も身につきました。

——これから麻雀デビューやMリーグを見ようという方にメッセージをお願いします。

二階堂 とにかく一度、Mリーグを見ていただければ嬉しいです。今期からチームが増えて8チームになり、さらに面白くなっていると思います。

滝沢 プロになって20年経ちましたが、今が一番いろんな整理がついて、良くなっている状態だと実感しています。そしてまだまだ強くなりますので、ぜひ応援してください。

勝又 日々、プロ野球やJリーグにも負けない熱い戦いをしていますので、ぜひMリーグもご覧ください!

——今期は、チームで優勝祈願に行ったそうですね。

二階堂 3人で滝行に行ってきたんですよ。秋川渓谷の最上流にある九頭龍神社(東京都檜原村)です。人生初の滝行だったんですが、同じ苦難を乗り越えて、チームの一体感もより強くなりましたし、「やり切ったぞ!」という感覚も得られました。

テレビ朝日の社員食堂でパブリックビューイングを開催。

「AKIバースデーナイト」と称し、100名の来場者が亜樹選手の誕生日を祝いました。姉の二階堂瑠美プロも応援に駆けつけ、見事トップを勝ち取りました。

亜樹瑠美タンブラーなど記念グッズを販売。(Mリーグ オフィシャルオンラインストアで絶賛販売中)

(文・福山純生)

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