先見日記

先見日記とは 先見リメ[ス

2003 Jun 23
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ニュースリリースに掲載された『Weekly ASCII on Internet』の画面。まだ、Mosaicが一般的な時代、Internet Explorerはまだなく、この頃にNetscape Navigator 1.0に日本語が表示されているのもおかしいかもしれない(誰かがハメ込んだ?)。このサービスは、『月刊アスキー』の情報と人的リソースで運営されていたものである。













インターネット考古学
新宿ラ・ヴォアにて

 すっかり忘れていたのだが、ある人に言われて思い出した。
 なんの話かというと、いまから8年も前の95年6月に立ち上げた『Weekly ASCII on Internet』というニュースサービスである。その中で「Woody Gong Show」とう連載コラムをやっていたでしょうというのだ。
 Woody Gong(木鐸)=新聞(社会の木鐸)というわけで、その週のデジタルを扱った新聞記事に片っ端からコメントしていくという対談コラムだったのだが……。
 ちなみに、このニュースサイトというのが、その頃としては結構画期的なことで(いまみると何でもない内容なのだが)、当時、アスキーが出したニュースリリースを探し出してもらった。

報道関係者各位
1995年6月21日

株式会社アスキー(本社:東京都渋谷区)は、最新のコンピュータ業界情報を提供する、日本初の本格的なインターネット・ニュースサービス『Weekly ASCII on Internet』を6月29日より開始いたします。URLは http://www.aix.or.jp/wascii/ です。サービス開始後、半年間は全ページを無料で提供し、1996年1月に有料ページの提供を開始する予定です。
(中略)
従来の雑誌では、編集部が情報を入手してから雑誌が読者に届くまでに数週間程度かかるため、即時性の高い情報提供は困難でした。『Weekly ASCII on Internet』は、インターネット上でのオンラインニュースとすることで速報性を高め、また音声・画像などを含めたマルチメディアによるニュースを可能とした新しいタイプのサービスです。

 なんとも、仰々しいことが書かれている。
 まだ、Windows3.1の時代、パソコンを買ってくれば誰でもインターネットに接続できるという時代ではなかった。いろいろなソフトを組み合わせて、なんとか繋ぐだけでも大変な時代である(Macintoshのほうがインターネットの接続はラクという状況)。

 米国では『San Jose Mercury News』紙が、インターネット上の新聞として話題になっていて、自分たちもやってみたいとニュースに関係するような人たちは思い始めていた。朝日新聞社の『Asahi.com』がまもなくスタートするという頃であり、半年後には、インプレスの有料メールサービス『INTERNET Watch』もスタートする。要するに、その1年くらいの間に、Windows95がリリースされたこともあって、インターネット上のコマーシャルなサービスも盛り上がっていくわけである。

 『Weekly ASCII on Internet』は、約2年半にわたってサービスを行い、『ASCII24』(http://www.ascii24.com/)の立ち上げに先立って発展解消。デスクのKくん(現副編集長)は、2つのサービスを通して8年間もニュースをインターネットに配信し続けていることになる。

 『Weekly ASCII on Internet』のページは、インターネット上には残っていない(そもそもサーバーがない)。にもかかわらず、サービス中に張られたリンクだけが幽霊のように、意外にもたくさん残っているようである(ニュースリリース中のURLもNot Foundとなるはずで、また1つそんなリンクを作ってしまった)。
 インターネット上のコンテンツも、犬の1年のスピードで8年(8×8=64年換算?)も経過してしまうと、考古学の趣が出てくる。しかし、ことニュースサイトに関してはあまり変わりばえしていないような気もする。

End


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