アメリカン・メディア
319号    平成16年1月30日    編集:テレビ朝日アメリカ・インク

アメリカン・メディア

アメリカン・メディア米ネットワーク市場占有率、39%で決着
アメリカン・メディア猛威を振るう「アメリカン・アイドル」人気
アメリカン・メディアNBC「フレンズ」最終回、CM料金最高値
アメリカン・メディア「ミリオネア」、巨額賞金で再デビュー


米ネットワーク市場占有率、39%で決着

米連邦議会ではこのほど4大ネットワークなどが所有できるテレビ局を介した市場占有率を39%に制定することで決着した。

米連邦通信委員会(FCC)は昨年6月、占有率をそれまでの35%から45%に引き上げる規制緩和案を可決したが、保守派、リベラル派を含む様々な団体から「規制緩和はメディアの強権化を促し、言論の多様性などを脅かす」などとする猛反対に合い、いったん連邦議会が元通りの規制に差し戻す法案を可決していた。

しかし、ブッシュ政権がこの法案に対し拒否権を発動する構えに出たことから、与党共和党主導で折衷案が検討され、このほど1社による世帯カバー率を39%とすることで決着した。

新法案ではカバー率の設定権をFCCから剥奪し、議会が握ることも決まった。

米国では規制緩和案が制定される前からCBSネットワークなどを傘下に置くバイアコム社とFoxネットワークの親会社、ニューズコーポレーションがそれぞれすでに39%の占有率に達しており、「今回の決定は特定の企業に恩恵を与えるものだ」(共和党のマッケイン上院議員)との批判も出ている。

AP通信によると、バイアコムとニューズコーポレーション両社が2002年1月から2003年6月の間に規制緩和案の通過に向け費やしたロビー活動費は550万ドル(約583億円)に上るという。
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猛威を振るう「アメリカン・アイドル」人気

今回で3回目となるFoxネットワークのタレント・コンテスト番組「アメリカン・アイドル」が19日(20:00時)からスタートしたが、初回の平均視聴者数2900万、重要視聴者層18〜49歳代の視聴率12.8%、シェア31%と、今シーズンデビューした全ネットワークの番組中最高の成績を獲得した。

同番組は21日まで3日間に渡って連日放送されたが、視聴率もそれぞれ11.9%(20日)、12.7%(21日)(速報値)と衰えることがなかった。これを受けてNBCでは1月15日にスタートさせ話題番組となった新リアリティー「アプレンティス(見習)」を「アメリカン・アイドル」の裏番組とならないよう急遽放送日を木曜日に変更したほどだ。ただ、木曜日は近々放送が予定されているCBSの「サバイバー:オールスター編」など強敵が控えており、NBCは「アイドル」人気に“怨み骨髄”といったところだろう。

一方、今シーズンほとんどヒット番組に恵まれていないFoxにとっては願っても無い朗報となり、同ネットワーク幹部は「CBSの人気リアリティー番組『サバイバー』などに匹敵する、ドル箱番組に定着した」と大喜びだ。「アイドル」は通常、毎週火曜日と水曜日の連夜放送される。


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NBC「フレンズ」最終回、CM料金最高値

米テレビ界近年の大ヒット番組の一つ「フレンズ」(NBCのラブ・コメディー・シリーズ)は今シーズンをもって終了するが、その最終回(5月6日放送予定)の30秒スポットCM料金になんと200万ドル(約2億1200万円)という驚異的な値がついたことが明らかになった。テレビ番組で世界最高のCM料金と言えばスーパーボウル(2月1日)だが、その値段230万ドルにも迫るもので、もちろんエンターテイメント系番組としては過去最高額となった。しかも、すべての枠がすでに完売済みだそうだ。

これまでスポーツ以外の番組でCM料金の高い番組と言えば「アカデミー賞授賞式」だが、今回の値はそれを約50万ドル(約5300万円)上回るものになったという。ちなみに、業界誌「ブロードキャスティング&ケーブル」によると、「フレンズ」の通常番組の30秒スポットCM料金は約38万ドル(2003年第4四半期)で取引されている模様。 NBCでは「フレンズ」とならび、もうひとつの人気コメディー番組「フレイジャー」も今季限りで打ち切りとする予定だが、両方の番組をキャンセルすることで年間3億ドル(約318億円)のライセンス料の節約となるという。
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「ミリオネア」、巨額賞金で再デビュー

米テレビ界のゲーム番組史上最大のヒット作となった「百万長者になりたいのは誰(ミリオネア)」が来月からABCネットワークのプライムタイムに復活することが決まった。司会者は前回シリーズと同じレジス・フィルビン氏。

今回は放送期間を1週間に限る限定版で、内容は基本的には前回のものを踏襲するものの、優勝賞金額は前回の100万ドルから一挙に10倍の1000万ドル(約10億6000万円)に跳ね上がり、題名も「スーパー・ミリオネア」に改定されるという。

旧番組が成功した理由の一つに当時としては破格な賞金額(100万ドル)の魅力が挙げられるが、その後、様々なリアリティー番組が同額の賞金を掲げて登場したことを鑑み、今回は目玉となる賞金額の大幅引き上げと期間限定放送という戦略で雪辱を期している模様。

「ミリオネア」は、ABCが英国からフォーマット輸入をし、1999年にスタートさせ大ブレークした番組だが、同ネットワークが放送回数を最終段階では週4回と、一番組に対する過度の依存編成に陥ったことなどがたたり、2002年には視聴率の急降下とともに番組打ち切りを余儀なくされていた。
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