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玉城デニー氏当選 民主、沖縄の選挙区で初議席

2009年8月31日4時35分

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写真初当選を決め、支持者と喜ぶ民主党の玉城デニー氏=30日午後8時32分、沖縄県沖縄市、恒成利幸撮影

 米軍普天間飛行場の移設予定地、沖縄県名護市を抱える沖縄3区では、民主新顔の玉城デニー氏(49)が初当選を決めた。沖縄4区でも民主新顔の瑞慶覧長敏(ずけらんちょうびん)氏(50)が初当選を果たした。沖縄県の選挙区から選出される民主党国会議員は衆参通じて初めて。

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 玉城氏の父は沖縄に駐留していた米兵。離島から沖縄本島に働きに出ていた母との間に生まれた。父とは会ったこともない。母は米兵相手の飲食店の賄いなどで生計を立てた。幼いころは母の知人宅に預けられて育った。

 外国人のような顔立ちで、近所の子どもたちから「アメリカー」とからかわれたこともある。支えになったのは、「育ての母」が繰り返した沖縄の格言だった。「とーぬいーびや、ゆぬたきやねーらん」。10本の指は同じ長さではない、だからこそ意味がある。そんな教えだ。

 ラジオ番組のディスクジョッキーとして活躍。沖縄方言交じりの語りで人気を集めた。02年の沖縄市議選に立候補し、トップ当選。市議1期目の途中で挑んだ前回の総選挙は自民前職に大敗したが、今回は追い風に乗って雪辱を果たした。

 普天間問題では党の方針通り、県内移設反対の姿勢をみせたものの、選挙戦では真っ正面から論陣を張ったわけではない。「基地反対」を叫ぶだけでは沖縄の問題は解決しない――。それが米軍基地が集中する島で生きてきた実感だからだ。ただ、当選を決めた30日夜には、普天間について「10年以内には、県外、国外への移設に道筋をつけたい」と決意を示した。

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