中村屋のロシアケーキの始まりは明治期にまでさかのぼります。新宿中村屋で修行中だった長束実氏が、ロシア皇帝のお抱え製菓技師に正統なロシアケーキ作りの技術を伝授され、その技術を2代目七郎氏が引き継いだのが中村屋ロシアケーキのはじまりです。

 戦後になって、3代目長束氏が受け継ぎ、その技能の保存に努めました。正統なロシアケーキとして日本唯一の後継者ということになりました。

 まずビスケットを焼き、アーモンド、ピーナツ、砂糖などを用いたマコロンをその上に絞りつけ、さらに丹念に焼きつけるという二度焼きが特徴です。プラム、チョコレート、ジャム、クルミなどが独特の風味を添え、おいしさを盛り立てます。6種類のロシアケーキはどれも伝統に支えられた中村屋ならではの味に仕上がっています。

 本物のロシアケーキを作りつづけてきた中村屋は、伝統の、そして幻のロシアケーキをこれからも作り続けていきます。