J2残留 悔しさ胸に レノファ山口

前田健汰
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 サッカーJ2のレノファ山口は28日、山口市の維新みらいふスタジアムでヴァンフォーレ甲府と戦い、0―1で敗れた。第41節を終えて10勝19敗12分け、勝ち点42で15位。今季は下位4チームがJ3へ降格となるが、この日のほかの下位チームの結果を受け、レノファ山口の来季のJ2残留が決まった。(前田健汰)

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 レノファは今季ホーム最終戦。試合開始時点でJ1昇格の可能性が残るヴァンフォーレ甲府を相手に決定機を何度もつくりながら、後半にパスミスから失点。来季に課題を残す結果となった。

 レノファは前半、序盤から攻勢をかけ相手ゴールを何度も脅かした。前半終了直前には、FW高井和馬とFW池上丈二が続けて決定機を迎えるなど前半だけで7本のシュートを放つが、甲府の体を張ったディフェンスを破れない。

 後半もレノファのペースが続き、FW高井が甲府ディフェンス陣の裏に抜け出してゴールキーパーと1対1の場面をつくり出すなどゴールに迫ったが、得点を奪えなかった。逆に後半29分、自陣でパスミスからボールを奪われ、甲府のMF中村亮太朗に先制点を決められ、逃げ切られた。

 試合後のセレモニーで、主将の池上丈二は「悔しいシーズンだったが、来季もJ2の舞台で戦うことができます」と報告。サポーターから大きな拍手が送られた。名塚善寛監督は「まだまだチームは若く経験もない。(来シーズンは)みなさんとともにレノファの歴史をつくりましょう」と呼びかけた。

 名塚監督は試合後の会見で、「残留は非常に責任のあるミッションだった。他力だが決まって私自身はホッとしている」。一方、渡辺晋前監督が「維新(スタジアム)は勝つところ」とシーズン当初に宣言し、名塚監督も引き継いできたホームでの試合は、この日の結果を含め21試合でわずか6勝に終わった。名塚監督は「(サポーターに)つらい思いをさせてしまったことは責任を感じている」と語った。

 今季最終戦は12月5日、松山市のニンジニアスタジアムで愛媛FCと戦う。

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 この日は4625人の観客がホーム最終戦を見届けようとスタジアムを訪れた。

 山口市の会社員、高畑良樹さん(40)はレノファがJ2に昇格した2016年ごろから応援してきた。「積極的な攻撃がこのチームの魅力。最近は良い形で戦えていると思うので、来季はたくさん点を取る勝ち試合を見たい」と注文を付けた。

 周南市でサッカーを習っている河中亮太さん(7)は父親の雄大さん(38)と初めてスタジアムで観戦。亮太さんは「たくさんシュートを打っていて迫力があった。僕も頑張るので、来年はレノファももっと頑張ってほしい」と話した。

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