2016.6.16 10:17

イチロー出身地の愛知・豊山町は喜びに沸く「郷土の誇りだ」

イチロー出身地の愛知・豊山町は喜びに沸く「郷土の誇りだ」

愛知県豊山町役場前で、イチロー選手の日米通算4257安打を喜ぶ鈴木幸育町長(中央)ら=16日午前

愛知県豊山町役場前で、イチロー選手の日米通算4257安打を喜ぶ鈴木幸育町長(中央)ら=16日午前【拡大】

 米大リーグ・マーリンズのイチロー選手がメジャー歴代記録を超える日米通算4257本目の安打を放った16日、生まれ故郷の愛知県豊山町では、幼いころを知る人たちが「あの子は私たちの誇り」と、地元出身のヒーローの偉業を祝福した。

 「1994年のシーンと重なった」。自宅のテレビで中継を見守ったイチロー選手の父鈴木宣之さん(73)は駆け付けた約30人の報道陣を前にこう語った。イチロー選手がスターとなったプロ3年目。日本初の年間200本安打を達成した打席も今回と同じライトへの二塁打だった。「うれしくて自然と涙が出た」としみじみと振り返った。

 愛工大名電高時代の野球部監督、中村豪さん(73)も同県西尾市の自宅で記録達成を見届けた。「強い星の下に生まれたのだろう。あの子と一緒に野球ができた3年間が誇りです」とかみしめるように語った。

 「ばんざーい」。豊山町役場庁舎には試合終了後の午前8時半ごろ、「祝 イチロー選手」と書かれた垂れ幕が掲げられ、集まった関係者が喜びを爆発させた。鈴木幸育町長は「本当にうれしい」と興奮した様子だった。

 イチロー選手を少年時代から知るスポーツ店経営河井政三さん(73)も役場前で「最高だ」と感無量の様子。「50歳まではプレーを続け大リーグ単独での世界記録を目指してほしい」と、さらなる活躍に期待を寄せた。

 イチロー選手が小学、中学時代に通ったバッティングセンターの社長前田岩夫さん(76)は「出場機会が少なくなっているのに、結果を出し続けるのはすごい精神力だ」と偉業をたたえていた。

イチロー選手の父親、鈴木宣之さんの話「記録に追いついた安打は冷静に見られたが、追い越した二塁打を放ったときはぐっとうれしさがこみ上げ、自然と涙が浮かんだ。1994年に(年間安打数で日本球界初の)200本目を達成したときもライトへの二塁打で、そのシーンが重なった。これまでに大変な道のりがあった。息子は諦めずに前に突き進んでいる。よくここまで来たなという気持ちだが「野球は極められていない。もっと頑張れ」と言いたい」

  • 愛知県豊山町役場に置かれたイチロー選手のポスターと、日米通算4257安打達成を示す張り紙=16日午前
  • 愛知県豊山町役場に掲げられた、イチロー選手の日米通算4257安打を祝う懸垂幕=16日午前
  • イチロー選手が日米通算4257本目の安打を放ち、笑顔で話す父の鈴木宣之さん=16日午前、愛知県豊山町
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