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ホーバー運航休止からこれまで

〇大分ホーバー、会社清算へ 来月で運航休止 2009/ 09/ 30(水)

 大分ホーバーフェリー(大分市、木元智社長)が30日、景気悪化などによる利用客の激減から経営継続不可能と判断し、大分地裁に純粋清算型の民事再生手続きの開始を申し立てたと発表した。10月末でホーバークラフトの運航を休止し、会社を清算する。負債総額は約5億7300万円。

  県庁で木元社長と代理人の阿部貴史、木上雄二両弁護士が会見。木元社長が「お客さまと債権者に大変申し訳ない。乗船客の減少に歯止めがかからず、収入は前年対比で毎月1千万円以上減っている。飛行機の利用客自体も減っており、今後も経営改善の見通しはなく、立ち行かなくなった」と手続きに至った経緯を説明した。

 純粋清算型の民事再生法の選択について、阿部弁護士が「単純な清算や解散では突然運航が止まることになり、利用者に大変な迷惑が掛かる。事業を継続しながら清算手続きを進めるこの方法がベストと判断した」と述べた。

 同社は1970年に設立され、現在は国内唯一のホーバークラフト運航会社。大分市と大分空港の海上29㌔を約30分間で結ぶ。ピーク時の90年度は利用客が43万9千人だったが、2008年度は世界的な景気後退の影響もあって24万9千人(前年度比約4万9千人減)にまで落ち込んでいた。

〇ホーバー売却決定 4隻、海外搬出へ 2010/ 03/ 05(金)

 大分ホーバーフェリー(大分市、木元智社長)が所有していたホーバークラフト4隻の売却先が決まり、5日、船体の運び出し作業が始まった。木元社長は大分合同新聞の取材に対し、「船体はすべて国内の企業が買い取った。搬出作業は1日で終わる予定」と話している。木元社長は明らかにしなかったが、関係者の話を総合すると、船体は海外に運ばれるという。

  午前8時20分、独特のエンジン音を響かせてドリームルビー号が、大分市西新地の大分ホーバー基地から海上へと出た。約20分後、同市大在の大在公共埠頭(ふとう)に到着。船体は岸壁に止まっていた大型のクレーン車で持ち上げられ、台船に載せられた。

 残る3隻も順次、ホーバー基地を出て同公共埠頭に移動し、台船に移された。同社関係者によると、船体は台船ごと運ばれるという。

 ホーバークラフトの船体をめぐっては、清算に向けて民事再生手続きを進めている同社と県が、事業や船体の譲渡先を探してきた。昨年12月下旬までに県内外の商社など7社から購入の申し出があり、同社の申立人代理人(弁護士)が債権者と売却について交渉を進めていた。

 申立人代理人は「売却先の意向で、購入者や船体の使い道、売却価格などについては公表できない」としている。

〇ホーバーああ無情 大分を離れ3年…熊本の港に3隻 汚れやさび、火災の跡も 2013/ 01/ 13(日)

 3年前に売却され、大分から姿を消した大分ホーバーフェリー(当時)のホーバークラフトが熊本県の八代港にあることが12日、分かった。当時、手放された4隻は輸出されたとみられているが、昨年末に3隻が再び日本へ。八代港に陸揚げされて稼働はしておらず、そのうち1隻は船体の大部分を焼損している。

  ホーバーは八代港の一角に並べて置かれている。「OITA HOVER」の文字を確認できるが、真っ白だった船体は茶色く汚れ、さびも目立つ。「ドリームアクアマリン」と書かれた船は火災が発生したのか、客室全体がほぼ焼けていた。

 ホーバーは2010年3月に譲渡され、行き先は明らかにされなかった。関係者によると、八代港を経由し、中国に向かう船舶で搬出したらしい。中国語のウェブサイトで香港の港に係留されたとみられる4隻の写真が見つかった。昨年11月、中国から来たとみられる船で3隻だけ再び港に運ばれてきたという。

 運搬に関わった港湾荷役業者は「輸出時は美しかったが、長く使っていないのか、汚れがひどく、3年ぶりに見た姿は驚いた。1隻は焼けた状態だった。どこかで活躍していると思っていたのに…」。今後、船体がどうなるかははっきりしないが、しばらくは置いたままにしておくという。残る1隻の「消息」は分からない。

 ホーバーは国内唯一の定期航路として大分交通の関連会社が大分市と大分空港間で運航していたが2009年10月に終了。売却したが、譲渡先の意向で購入者などが明らかにされていなかった。

〇ホーバー備品が帰郷 熊本で解体、ファンに「形見分け」 汽笛など100点近く 公開イベント検討 2015/ 05/ 23(土)

 航路廃止後に売却された大分ホーバーフェリー(当時)のホーバークラフト4隻のうち3隻が、熊本県内で解体された。国内で最後の旅客ホーバーだっただけにいまだに人気は根強く、大分県内のホーバーファンのグループは所有者の同意を得て備品の一部を譲り受けた。「形見分け」されたのは汽笛やサーチライト、運航日誌など100点近くにのぼる。グループは「故郷の大分に貴重な遺産を持ち帰ることができた。整理が出来次第、披露できる機会を設けたい」としている。

 備品を譲り受けたのは「ホーバー継承の会」(油布大輔会長、臼杵市)。運航終了後の2012年3月に設立し、模型や写真の展示会を開いてホーバーの魅力を発信し続けてきた。売却された船体の行方も追跡。同年末に「ドリームルビー」「ドリームエメラルド」「ドリームアクアマリン」の3隻が熊本県八代市内の港に陸揚げされていることを確認していた。

 所有者からの連絡で解体されることを知り、3月27日、「ドリームルビー」「ドリームエメラルド」の備品を回収した。3隻は4月初旬までに解体された。

 持ち帰った備品は2トントラック1台分。ハンドルなどの操船機器の他、サーチライトや座席、救命胴衣などさまざま。特に汽笛はアンプとスピーカーがそろっており、音を鳴らすことができる。「ホーバーらしさを感じる部分ばかり」とメンバーの川下俊介さん(大分市)。

 船内から貴重な資料も見つかった。製造元が作成したとみられる船体の構造を記した完成図書と、乗客数や航行時間などが記録された運航日誌が数冊残されていた。船体が残っていない今となっては非常に価値があるという。

 油布会長は「現存がかなわなかったのは残念だが、その一部を残すことができた。県内外に多くのファンがいるだけに、持ち帰った備品を公開するイベントを考えたい」としている。
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