PAS染色

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印環細胞癌の病理組織像。PAS染色。
食道カンジダ症。PAS染色

PAS染色(: Periodic acid-Schiff stain)とは組織学病理学において使用される染色法の一つ。主として、白血病細胞のリンパ性と非リンパ性の鑑別や、巨赤芽球様細胞の鑑別に用いられる[1]

概要[編集]

PAS染色は、粘液質の証明法としてMcManus(1946)によって考案され、その後、Wislocki(1949)らによって血球の多糖類証明法として応用されるようになった[2]

原理としては、過ヨウ素酸(periodic acid)により糖質を酸化してアルデヒド基を生じさせ、これが Schiff試薬中の leucofchsin と反応する[2][3]。糖鎖を持つ物質が PAS 陽性となり、独特の赤紫色を呈する[2][3]。ただし、PAS 染色では上記物質だけでなく、非常に多くのものが染色される[3]。PAS染色陽性物質がグリコーゲンであるか、または他の多糖体であるかの鑑別にアミラーゼ消化試験がある[2]

脚注[編集]