髟部

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康熙字典 214 部首
高部 髟部 鬥部
1 丿 2
3
广
4
5
6
7
8
9
10 11 鹿
12 13 14 15
16 17

髟部ひょうぶは、漢字部首により分類したグループの一つ。 康熙字典214部首では190番目に置かれる(10画の4番目、亥集の4番目)。

概要[編集]

髟部には「髟」を筆画の一部として持つ漢字を分類している。

単独の「髟」字はが長い様を表す。その字源は髪の長い人を象る象形文字である[1]。『説文解字』では「長」と「彡」とを組み合わせた文字と説明されているが、甲骨文字金文の形を見ればわかるようにこれは誤った分析である。

「髟」は偏旁の意符としては毛髪や頭髪につける装飾品、髪型、またはひげに関することを示す。このとき上部の冠の位置に置かれ、上下構造を作ることが多い。

部首の通称[編集]

  • 日本:かみがしら・かみかんむり
  • 韓国:터럭발밑부(teoreok bal mit bu、けの髪のかしらの部)
  • 英米:Radical hair

部首字[編集]

  • 中古音
    • 広韻 - 甫遥、宵韻、平声
    • 集韻 - 卑遥切、宵韻、平声
    • 詩韻 - 蕭韻、平声
    • 三十六字母 -
  • 現代音
  • 日本語 - :ヒョウ(ヘウ)(漢音
  • 朝鮮語 - (pyo) 머리 늘어질(meori neureojil、髪の毛が伸びた)

例字[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 陳世輝 「牆盤銘文解説」 『考古』1980年第5期 433-435頁。
    林澐 「釈史牆盤銘中的“逖虘髟”」 『陝西歴史博物館館刊』第1輯 三秦出版社、1994年、22-30頁。
    林澐 「説飄風」 『于省吾教授百年誕辰紀念文集』 吉林大学古文字研究室編、吉林大学出版社、1996年、7-11頁。
    湯余恵、呉良宝 「郭店楚簡文字拾零(四篇)」 『簡帛研究』2001 李学勤、謝桂華主編、広西師範大学出版社、2001年、201頁。
    季旭昇撰 『説文新証』 芸文印書館、2014年、706-707頁。